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ハリルJは日本サッカーが蓄積してきたものの上で戦えているのか?

theWORLD(ザ・ワールド) 10/14(金) 19:30配信

いまの日本代表は自ら“谷”を作り出している

どうも歯車がうまくまわっていない。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はオーストラリア戦の前日会見で「W杯予選は山あり谷ありなので、いろいろなことが起こる」と語っていた。日本サッカーには積み重ねてきた歴史があり、W杯アジア最終予選の難しさ、厳しさは普段サッカーを見ない人のなかにもおそらくすでに浸透している。悔しい思いをしたことがあれば、歓喜したこともあった。苦戦した原因、勝利した要因はさまざまで、それらひとつひとつが貴重な経験として日本サッカーの財産となっている。

ロシアW杯を目指すいまの日本代表は、これまで積み上げてきたものの上で戦えているだろうか? 監督が変われば目指すスタイルは変わるものだが、方向性を定めるのは雇い主である日本サッカー協会(JFA)で、ハリルホジッチ監督は自身の信念に基づいて強化を進めているに過ぎない。

世界トップクラスの強豪国を倒すためには、なにをしなければならないか。ハリルホジッチ監督には自身のなかに多くの経験が蓄積されていて、2014ブラジルW杯ではアルジェリアを率いてベスト16に進出している。この指揮官の経験と、日本サッカー界が積み上げてきた経験を融合させて日本代表の強化を進めていくべきだが、いまはこれまで蓄積してきた日本サッカーの良さよりも、ハリルホジッチ監督が指向するスタイルが全面に出ていて安定感がなく、ときおり違和感さえ覚える。

無論、チームは監督のもので好きなように強化を進めていい。求められているのは勝利で、「これが勝つために最適」と監督が決断したものは絶対で、むしろそこにブレがあってはならない。そういった意味で、ハリルホジッチ監督の考えは揺らぐことがなく(見込みの甘さはあったが方向性に変化はない)、選手たちも指揮官の期待に応えようと必死にプレイしている。与えられた環境、条件のなかでハリルホジッチ監督も選手たちも自分の役割を懸命にこなそうとしており、そこに妥協は感じられない。

問題はチーム作りの最初の出発点であるハリルホジッチ監督が「これが勝つために最適」と考えているスタイルが日本サッカーとマッチしているかどうかだ。JFAとの間でそこに齟齬があると、最終的に良い結果を得るのは不可能だ。チームとして最高のパフォーマンスを発揮できないまま戦い続けて勝利を積み重ねられるほど、W杯アジア最終予選は簡単ではない。しつこくて申し訳ないが、その難しさは日本サッカーを見てきた者なら誰もが知っている。

日本人サッカー選手の特徴はどこにあるか、もう一度しっかり確認したほうがいい。その特徴が失われてきた選手は、自然の流れとしてより良い選手へと入れ替わっていくのが代表だ。チームの屋台骨となる目指す方向性や指針は変えず、その都度新しい血(選手)を入れて継続性のある強化を続けていく。本来そうすべきところ、いまは目指す方向性や指針に変化がみられる一方で、選手の顔ぶれはほぼ変わっていない。ここに、歯車がうまくまわっていないと感じる原因がある

メディアの人間がそう感じるのだから、JFAはもっと違和感を覚えているはずだ。選手にとっても、ほぼ同じメンバーでありながら積み上げてきたものと違うことを求められるのは負担となる。予選は山あり谷ありなのはたしかだが、いまの日本代表は自ら谷を作り出しているように思えて仕方ない。

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最終更新:10/14(金) 19:42

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