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ノーベル文学賞受賞でボブ・ディラン特需

東スポWeb 10/15(土) 6:33配信

 名曲「風に吹かれて」などで知られる米シンガー・ソングライター、ボブ・ディラン(75)のノーベル文学賞受賞が決まり、世界中の音楽業界と、“シルバー世代”のフォーク、ロックファンが感嘆の声を上げた。歌手の同賞受賞は初めての快挙。日本の音楽シーンにも多大な影響を与えている“レジェンド”の受賞により、様々な面で“ディラン特需”が起きそうだと専門家は分析している。

 反戦や人種差別への抵抗など半世紀にわたり社会と時代を映し出してきた数多くの歌詞によって「米国音楽の大きな伝統の中に新たな詩的表現を創造した」ことが受賞理由だとスウェーデン・アカデミーは発表した。

 音楽評論家の田家秀樹氏は「音楽の言葉がそれだけ芸術的、文学的、哲学的な価値があるんだと認められたっていうことは、すべての音楽関係者にとって朗報、喜ぶべきことだと思います」と称賛。また、「あの人はダブル・ミーニング(詩などで、一つの語に2つ以上の意味をもたせること)の元祖ですから。一つの言葉にいろんな意味を持たせながら歌詞を書いたりしているんで、世界中に研究者が一番多いアーティストじゃないかな。それは音楽だけじゃなくて、宗教の研究者がディランの歌詞を研究したりしてますし、もちろん哲学者もそう。僕らがディランのここを、なんて言えるようなレベルじゃないです」と世界に与えた衝撃を解説する。

 この受賞によって、音楽界の“活性化”が起きると期待するのは音楽評論家の富澤一誠氏だ。

「音楽業界で世界的にも衝撃的なニュースじゃないですか、ノーベル賞ですから。今年4月にも来日していますけど、受賞後に来日する時はもっとすごい盛り上がりを見せるんじゃないですかね。興味なかった人もボブ・ディランを聞くようになると思うし、“ボブ・ディラン特需”のような形で『音楽ってすごいぞ』となると思いますね」

 このタイミングを計ったかのように11月には、ディランが1966年のツアーで収録した「ライヴ1966」という36枚組みのボックスセットなどが発売される。リアルタイムで聞いていた年齢層が改めて聞き直すというだけでなく、様々なメディアでディランが取り上げられることで今まで聞かなかった新たな年代層もディランの音楽に触れる可能性は高い。

「スポーツ紙、一般紙、テレビ番組などで取り上げられるでしょうから、CDも売れるんじゃないかと思います」と富澤氏はみている。

 それだけではない。日本でも「フォークの神様」と呼ばれた岡林信康(70)や吉田拓郎(70)、桑田佳祐(60)などディランを敬愛するミュージシャンは多く、吉田は受賞の一報に「もし、あの時にボブ・ディランがいなかったら、と考える。ボブ・ディランがいたから今日があるような気もする。多くの事がそこから始まったと僕は思うのだ」とのコメントを寄せた。

 ある音楽関係者は「影響を受けた歌手たちが、今回の受賞に刺激されてさらに良いものを、とテンションが上がるでしょう。そうなれば、日本の音楽界そのものが活性化されます」。

 ディランのノーベル賞受賞が、日本の音楽シーンに思わぬ好景気をもたらせてくれそうだ。

最終更新:10/15(土) 6:33

東スポWeb

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