ここから本文です

BLUE ENCOUNT、夢を追いかけ続けて辿り着いた初武道館【ライブレポート】

M-ON!Press(エムオンプレス) 10/15(土) 13:07配信

BLUE ENCOUNT
LIVER’S 武道館
2016年10月9日@日本武道館

たしかに無謀な夢だったのかもしれない。この日、開演の直前に流れた懐かしいライブ映像、2013年12月の東京・TSUTAYA O-WESTのステージで、まだ一介のインディーズバンドに過ぎなかった彼らが口にしたのは「絶対、武道館でワンマンやります」という夢であり、約束だった。それから約3年。いよいよ迎えた2016年10月9日、BLUE ENCOUNT初の日本武道館ライブ“LIVER’S 武道館”だ。

その他のライブ写真はこちら

----------

■“武道館アーティスト”として立つべくして立ったステージ

1万1千人が詰めかけた記念すべき晴れの舞台は彼らと彼らのファンにとっての文字通り“約束の地”であると同時に、この3年という時間における彼らの成長ぶり、すなわち、もはや無謀でも絵空事でもなく“武道館アーティスト”として立つべくして立ったステージであることを誰の目にもはっきりと証明して見せるものだった。

「準備できてる? 武道館でBLUE ENCOUNT始めます! よろしく!」

朗々としたアカペラを響かせると田邊駿一(vo、g)はそう宣言、4人一丸となった「DAY×DAY」でオープニングを飾る。客席に向かって放たれる想いの矢印、とめどなく溢れてなお尽きないその気迫にのっけから圧倒されてしまう。

■今日はベタをやり尽くす!

ステージから見る壮観な景色に相好を崩しつつ、「じゃあ俺が“アリーナ元気か!”って言ったら“イエー!”って言って? そういうベタなこともやりたいの!」と大会場ならではのコール&レスポンスや、さらには「HEEEY!」の曲中、「今日はベタをやり尽くす!」とスタンド席からアリーナ席へとリレーする巨大なウェーブを実現、オーディエンスを巻き込みながら全員で“初武道館”を満喫する。この血の通った一体感がブルエンライブの身上であり、醍醐味だろう。ライブハウスであろうと武道館であろうとまるでブレないその姿勢が頼もしく、また誇らしい。

中盤には高村佳秀(ds)がグッズのパーカーに身を包み、“DJ高村”となってアリーナ席中央に登場、まさかの“高村ップ”(タカムラップ)を披露し、とことんアッパーに攻め込んだ前半戦の興奮を大爆笑に転じるという荒技も。

かと思えば「YOU」「はじまり」では一転、ストリングス隊と共演で空気を刷新。カルテットの流麗な調べと芯の太いバンドサウンドの融合がこの2曲のバラードに込められた想いをよりスケールアップして聴く者の心奥に届ける。両極端だが、それを難なく両立させてしまえるのがBLUE ENCOUNTというバンドの強さに違いない。

■学生時代の思い出を夢の舞台で果たす

高校時代、田邊にギターを壊されたにも関わらず「いつか武道館に立ったら返してやる」と言われてなぜか納得してしまったという江口雄也(g)のエピソードに始まり、本当に田邊から新しいギターをプレゼントされるというサプライズや、現在、新曲「LAST HERO」が主題歌として起用されているドラマ「THE LAST COP」の制作スタッフにブルエンの出演を直訴してOKをもらうひと幕など、トピックスも盛りだくさん。

後半戦に突入しても勢いは衰えることなく、むしろ加速の一途を辿る。江口と辻村勇太(b)は所狭しとステージを行き交い、高村も全身全霊のビートを刻む。田邊は「LIVER」の一節を“悩みも荷物も 武道館に預け”と替え歌にして“一つの音楽で 国も価値観も超えてつながるぞ!”と続けると「タオル出して!」とオーディエンスにリクエスト。次の瞬間、武道館いっぱいにタオルが回った。

■かけた心配のその何倍もすごい感謝を自信持って返せるんだ

「残酷な話だけど、最初っから満場一致でみんなが応援してくれる夢なんてこの世にほとんどないんだよ。でも12年、夢を追い続けてわかったのは“それでも夢を追いかけたらすげぇぞ”ってことです」

終盤、田邊はそう客席に語りかけた。死ぬ気で夢を追いかけたらバカにしてたヤツの何百倍もの人が応援してくれる、かけた心配のその何倍もすごい感謝を自信持って返せるんだ、とも。この日の武道館はまさにその具現だっただろう。だが、もちろん彼らの道行きはここで終わりじゃない。

「オマエらともっと夢を見たい。オマエらともっと手を叩き合いたい」、そう言って来年3月に千葉・幕張メッセ国際展示場にてワンマンライブが決定したことを発表。歓喜に沸くオーディエンスに改めて「俺らは死ぬ気でオマエを支える曲を作っていく。何万人に嫌われようが何十万人を振り返らせてみせる。誰に何を言われようが思いっきりでっかい声で歌おうぜ!」と誓う。

本編ラストは「もっと光を」。1万1千人分の歌声が空気をビリビリと震わせて場内に轟く。力強く、美しく、生命力にみなぎったこの歌声を希望と呼ばずになんと言おう。

■『THE END』のその先へ

アンコールの前には2017年新春のニューアルバムリリースと前出の幕張メッセを含むバンド史上最大規模のツアーが3月に開催されるというビッグニュースも告知された。ここでまた彼らは新境地を開くのだろう。アルバムに先駆けて新曲も披露、訥々とした内省と叙情を秘めた音像はそれを十二分に予感させるものだった。

「これからも絶対ついてこいよ。その手、離しませんから」

色とりどりの紙吹雪が舞う中、オーラスの「HANDS」で新たな約束を手渡す4人。終演後に明かされた『THE END』という衝撃のアルバムタイトルにはさすがにどよめきが起こったが、彼らはけっしてファンを裏切らないはずだ。そこに込められた真意と、次の未来の始まりを今は心して待ちたい。

TEXT BY 本間夕子
PHOTOGRAPHY BY 浜野カズシ

【SETLIST】
01.DAY×DAY
02.HALO
03.MEMENTO
04.声
05.Survivor
06.アンバランス
07.JUMP
08.HEEEY!
09.ONE
10.ANSWER
11.YOU
12.はじまり
13.LAST HERO
14.JUST AWAKE
15.THANKS
16.LIVER
17.ロストジンクス
18だいじょうぶ
19.もっと光を
20.新曲
21.NEVER ENDING STORY
22.HANDS

最終更新:10/15(土) 18:40

M-ON!Press(エムオンプレス)