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キユーピー、業績好調でも株価急落のワケ

ZUU online 10/15(土) 10:40配信

キユーピー <2809> が10月3日の引け後に発表した第3四半期の決算は、営業利益が12%増、通期の進捗率も81%と高く、好決算に見えた。ただ、翌4日にキューピー株は売り気配ではじまり、前日比90円安の2.8%安と大きく下げた。翌5日も102円安の3.3%安と大幅続落となった。キューピーが急落したワケに迫ろう。

■期待が高すぎたキューピー

キューピーが10月3日に発表した2016年11月期第3四半期(12~8月)の連結決算は、売上が0.9%増の4139億円、本業の利益を示す営業利益が12%増の234億円だった。マヨネーズを主体とした、食品という成熟産業でありながら営業利益の2桁贈は決して悪くない。

売上ではサラダ・総菜部門が11%増えた貢献度が高く、利益面では不採算商品の見直しなどのコスト改善効果と付加価値の高い商品の拡大が寄与したことで利益率が改善した。

会社は、11月通期の売上予想5600億円(2%増)、営業利益予想290億円(10%増)は据え置いたが、通期予想営業利益290億円に対する8月までの実績234億円の進捗率は81%に達しておりこれも決して悪いペースではない。

それではなぜ株価は売り気配となったのか、期待感が高すぎたためだろう。

キューピーは、6月24日に通期の営業利益280億円予想を290億円に上方修正していた。主要な原料である鶏卵や物流システム事業で燃料として使用する軽油の購入価格が想定より下回ったためだ。上方修正後の7月7日にキューピーの株価は3590円の年初来高値をつけている。

それ以降、軽油価格はやや上昇傾向だが、鶏卵安は続いており、第3四半期決算発表時に再上方修正する期待が高まっていた。期待感から株価も上昇しており、9月28日には3340円と7月高値以来の高値をつけていた。

アナリストのコンセンサス業績予想であるQUICKコンセンサスを見ても、キューピーの営業利益予想は、会社予想の290億円に対し、9月26日時点で300億円になっていた。アナリストはキューピーが上方修正すると見ているのだ。今回の決算は、会社予想がコンセンサスまで上方修正されなかったことで、失望決算と市場は受け止めたのだ。

むしろ、今期は減価償却方法の変更に伴う残存簿価の一括償却を第1四半期に計上しており、プラスの影響が13億円ほどあった。これを除くと実質ベースでは、営業増益率は2.5%増益にとどまっているという見方もでてきている。上方修正どころかむしろ減速ととらえられた向きもあるようだ。

株式投資を本気でやるのなら、投資先企業の決算短信を必ず眺める癖を是非身につけよう。だいたいの情報は手に入る。決算数字も、売上や営業利益の水準、前年同期比をみるだけでなく、進捗率やコンセンサスとの比較を常に意識するようにしたい。

■証券会社の目標株価引き下げも追い討ち

好決算ながら期待を下回る決算だったキューピーに、さらに追い討ちをかけたのが証券会社の目標株価の修正だ。

10月6日付でみずほ証券が投資判断「中立」を継続したものの、通期営業利益を296億円から294億円へ若干ながら下方修正、目標株価を3250円から3060円へ引き下げた。 この影響か、10月7日のキューピー株は57円安とまた1.9%安まで売られた。

その後も、10月11日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がキューピーの投資判断を「強気」継続としたものの、ターゲットを3800円から3660円に下げている。 大手証券会社のアナリストも、同じように決算短信を読み取り、キューピーの減速傾向を感じたのに違いないだろう。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

最終更新:10/15(土) 10:40

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