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新聞を復興の力に 本紙切り抜き255冊 双葉から福島に避難の本田さん 15日から新聞週間

福島民報 10/15(土) 9:41配信

 「新聞を 開くその手で ひらく未来」を代表標語とする第69回新聞週間が15日始まった。東京電力福島第一原発事故で福島県双葉町から福島市に避難している元小学校長、本田勇さん(84)は東日本大震災直後の平成23年4月から福島民報の記事の切り抜きを続けてきた。5年半の間にまとめたファイルは255冊に及ぶ。今後整理し、双葉町のまちづくりへの提言に役立てようと思いを描く。

 新聞は私にとってすてきな百科事典のようなもの-。本田さんは毎朝届く新聞を隅から隅まで読み、項目ごとに台紙に貼り付けファイルにとじる。書斎には「3・11から1年」「原発事故関連死」「論説」などと背表紙に書かれたファイルがずらりと並んでいる。
 本宮町(現本宮市)出身で、安達高から福島大学芸学部(現人間発達文化学類)に進学。卒業後、小学校の教員になり、相馬市の磯部小校長を経て、浪江町の大堀小校長で退職した。双葉町の公民館で社会教育指導員をしていた。
 原発事故で避難を余儀なくされ、川俣町の体育館や埼玉県東松山市の親戚宅などに一時身を寄せた。平成23年4月に郡山市のアパートを借りて住み始めた。
 遠く離れた双葉町に思いをはせ、原発の状況がどうなっているか知りたかった。答えを求めたのは新聞だった。福島民報の日々の記事をはじめ、連載「ベクレルの嘆き」や「原発事故関連死」を読み、除染や廃炉作業の課題、他の避難者の現状などを確認してきた。
 前に向かって生きる県民を紹介する記事や県内各地の執筆者による民報サロンは避難生活の励みになった。放射線量など生活情報も今後の貴重な記録になると思い、ファイルに収めてきた。
 新聞はこれからのまちづくりの指針になると考え、震災と原発事故から6年となる来年3月11日までに、復興に向けた提言をまとめようと思っている。
 第二の古里双葉町に恩返ししたい。夏に建てた福島市の自宅で、きょうも新聞を開く。

福島民報社

最終更新:10/15(土) 11:45

福島民報