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「大学の体育館」が本拠、Bリーグ・SR渋谷の可能性

デイリースポーツ 10/15(土) 14:00配信

 バスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」が開幕してはや3週間。開幕戦は超ど派手な演出や地上波でのテレビ中継もあり、おおむね好評。特にネット上での反響は大きく、検索サイトヤフーの「話題のキーワードランキング」では、21時の段階で上位20位中バスケや開幕戦に関するワードが19個を独占したという。その中で「大学の体育館」を本拠地に据えたチームがある。サンロッカーズ渋谷だ。

 バスケットボールはわれわれにとって、比較的身近なスポーツだと思う。小中学校の体育の授業で取り入れられることも多く、ゴールのある公園も町中にある。誰もが一度は触れたことがあるスポーツだろう。

 川淵三郎初代チェアマンが先導したBリーグ立ち上げ計画には、「ホームアリーナの制定」も含まれた。これまでは地域の体育館を転戦するクラブも多く、企業チームではスポンサー企業の関連地域に“出張”して試合を行うことも少なくなかった。その中、川淵氏が本拠地の制定を重視したのは「愛するチームを応援するにはここに行けばいい」と思える場所を作るためだ。B1(1部)参入の条件には5000人規模のアリーナをホームとするという制限も設けた。

 NBL・日立サンロッカーズ東京が前身のサンロッカーズ渋谷は、このBリーグ設立を機に渋谷区をホームタウンに定め、ホームアリーナは青学大の体育館である「青山学院記念館」とした。もともといくつか候補となる体育館はあったが、交渉が難航。区の仲介もあり同大に決まった。トップリーグのクラブが大学施設を本拠とするのは初めてという。

 8日の富山戦が初のホーム開催。会場には2624人の観客が詰めかけ、アリーナは黄色に染まった。大学の体育館らしい面影はほとんどなく、どの学校にもある舞台は、黄色のカーテンで覆われていたため、むしろ演出であるようにも見えた。もちろん、不自由な点が「0」であるわけではないが、大きな問題はなく、初戦は無事に幕を閉じた。

 なにより可能性を感じたのは、大勢の観客の中には、これまでバスケットボール観戦に訪れたことがない人も多くいたということ。友人と4人で観戦した20代の男性会社員は「テレビで見て行ってみたいと思って、友人を誘いました。便利な渋谷で試合があったので」という。青学大3年の女子学生は「楽しいです。ツイッターでチケットの情報が流れていた」といい、バスケ経験者だった青学大2年の男子学生は「大学がホームなのはうれしい。友達誘ってまた来ます」と話していた。

 またBリーグの関係者は「リーグ全体を見ても、おしゃれをしたきれいな女性が多い気がする」とした上で「男女とも他の地域よりも若い人が多い感じがする」と話した。渋谷という土地柄はもちろん、日焼けや雨風の心配のいらないアリーナスポーツは女性にとっての観戦環境が整っていると言えるのかもしれない。

 青学大出身でSR渋谷のPG伊藤は「OBだとかそういうことに関係なく、バスケを楽しんで欲しい。学生にも何らかの形で目に入っていると思うので、映画を見に行くような気分で、休日のアトラクションとしてバスケを見に来てもらえたらうれしい」と話していた。バスケットボールのルールは本来、非常に細かいが、気にする暇もないくらいどんどん次の展開がやって来る。音響や照明での演出も、開幕戦ほどではないがそれぞれの会場で施されており、さまざまな楽しみ方があると思う。

 大学スポーツとの共存など考えるべき課題も多いが、「サンロッカーズを応援したいから青学へ」-。いつかそんな流れができれば素敵だと思う。異例とも言える、大学を本拠地としたプロチームの活動が、新たなスポーツ文化誕生のきっかけになるかもしれない。

最終更新:10/15(土) 14:05

デイリースポーツ