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体外受精で生まれた男性、精子の濃度や数に問題 研究

The Telegraph 10/15(土) 10:00配信

【記者:Sarah Knapton】
 体外受精によって生まれた男性は精子の数が少なく、自然なかたちで子どもを授かるのが難しい可能性があるという研究論文が発表された。

 研究を発表したのは1990年代に卵細胞質内精子注入法(ICSI)を開発したベルギー・ブリュッセル(Brussels)の医師らで、この手法によって生まれた男性54人を追跡調査している。
 
 ICSIはもとは男性の不妊治療のために開発され、健康な精子を卵子に直接注入し、受精卵を母親の子宮内に移植する。現在は女性が不妊の場合も含めて広く実施されている。最良の精子を選ぶことは、健康な子どもを授かる可能性を高めるからだ。

 しかし、専門家らは当初からこの手法で生まれた男児が将来的に父親の不妊を受け継ぐのではないかと懸念していた。つまり、ICSIで生まれた人の子孫は、子どもを望んだときにICSIに頼らざるを得なくなるのではないかということだ。
 
 この問題については世界初となる今回の研究では、ICSIで生まれた現在18~22歳の男性54人について調査した。その結果、自然妊娠で生まれた男性に比べて精子濃度が半分ほどで、精子の数は62%少なく、精子運動率も66%低かった。精子の数に関しては、世界保健機関(WHO)が「正常」とする値を下回る可能性が4倍近く高かった。

 ICSIを開発したブリュッセル自由大学(VUB)の生殖医療センターを統括するアンドレ・ファン・スティールトゲーエム(Andre Van Steirteghem)教授は、「これらの結果は想定外ではない」と述べた。「両親にはICSIを実施する前に、生まれた息子の精子に父親と同じような問題が起きる可能性は伝えてある」

「それでも彼らはICSIを希望した。息子の精子に問題があってもICSIが解決策になると判断したからだ」

 研究チームは、年齢やBMI(体格指数)、生殖機能の先天異常など精子の質に影響を与え得る要素を考慮して、研究結果を調整している。
 
 英国では年間約6万件の不妊治療が行われ、その半数近くでICSIが実施されている。不妊の原因が分からない場合にICSIが実施されることが多い。

 研究者たちは、今回の結果からICSIで生まれたすべての男児に精子の異常があると結論付けるべきではないと警告している。不妊の原因が精子の異常であると特定できないカップルにもICSIは実施されているためだ。

 英国の不妊治療クリニック「CARE Fertility」の代表を務めるサイモン・フィッシェル(Simon Fishel)教授は、「精子の質を表す数字が低いからといって、ICSIなどの体外受精が必要であるというわけではない。そのような場合でも自然妊娠できることは多い」と言う。「確証を得るにはさらなる補足研究が必要だ」

 今回の研究結果は英学術誌「ヒューマン・リプロダクション(Human Reproduction)」に掲載された。【翻訳編集】AFPBB News

最終更新:10/15(土) 10:00

The Telegraph

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

うん、核融合炉を作ったよ
核融合こそ未来のエネルギー問題への答えであり、子どもにだって世界は変えられる、テイラー・ウィルソンはそう信じています。そして彼はそのどちらにも取り組んでいます。14歳の時に家のガレージで核融合炉を作り、17歳となった今、直前の依頼に応えてTEDのステージで自分の物語を(手短に)語っています。