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シーズン到来! 「箱根」人気&穴場最新スポット

TOKYO FM+ 10/15(土) 12:05配信

10月は暑くもなく寒くもなく、絶好の行楽シーズン。関西なら六甲山や琵琶湖、北陸は黒部ダムや兼六園、東北では中尊寺や十和田湖あたりが定番ですよね。そして関東なら日光と「箱根」! 今回は「箱根」の歴史と魅力を、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えてもらいました。

◆「箱根に住んで30年、おすすめの穴場は……」
~女優 丘みつ子さん

私は箱根に住んで30年になります。もっと言えば、ちゃんと家を建てて住んだのが30年前で、その前から東京の自宅と箱根のセカンドハウスを行ったり来たりしていましたが。私は陶芸をしているので、東京だと煙の出る薪窯が使えなくて箱根まで通っていたんです。そして最終的には穴窯を作ったのをきっかけに、住民票も移して箱根に住むようになりました。

箱根に住んで最初に驚いたのは、夕方6時になるとどの店もシャッターを下ろしてしまうことでした。観光で来た皆さんは夕方まで美術館を巡ったりお土産を買ったりしますが、夕方以降は旅館に戻ってしまいます。だから5時半くらいになると箱根はスパッと人通りが途絶え、お店も閉まってしまうんです。住んでいる身としてはやや不便な部分もありますが、だからこそ夜はすごく静かになるとも言えます。静かな箱根で淡々と暮らすのは悪くありません。

箱根の良さは四季がはっきりとしていることです。犬と近所を散歩すると道端にキイチゴのような生り物をたくさん見つけるのですが、ヘビイチゴなら焼酎に漬けて塗り薬にしますし、タラの芽、山ウド、モミジガサ、コシアブラといった山菜はそこら中に生えています。秋ならキノコが採れるのでお鍋やそばの出汁にすると最高ですし、ちょうど今なら山芋の種「むかご」の季節です。

自然が豊かということは、クモやゲジゲジなどの虫もいっぱいるということでもあります。でも小鳥のさえずり、天の高さ、澄んだ空気、お水のおいしさ、ゆったりと流れる時間など、魅力的なところもいっぱいあります。駅伝のコースを歩いて、甘味処に入って、景色を眺めて……こぢんまりとした地域ですが、いろんな楽しみがあるんです。

箱根湖畔ゴルフコースの向かいに「湖尻水門」という水門があるのですが、ここの景色は格別です。芦ノ湖の水面から2mくらいしかない低い水門なので、水面とほぼ同じ高さから湖を見渡せます。地元の人でも犬の散歩でくらいでしか行く機会のない穴場で、手前の無料駐車場から徒歩1~2分です。機会があったらぜひ寄ってみてください。


◆「そろそろ仙石原のススキが見頃です!」
~箱根町観光協会 古谷和久さん

箱根のおすすめスポットといえば、今年の7月26日に部分開放を行った大涌谷です。大涌谷は昨年から火山活動の影響で立ち入り禁止の規制が出ていましたが、駐車場周辺は入れるようになりました。江戸時代には地獄谷とよばれた大涌谷は、ゴツゴツした岩に白煙、硫化水素の臭いも強烈で、火山活動の迫力を感じていただける箱根を代表するスポットです。箱根湯本からクルマで30分ほどなので、周囲の景色も楽しみながらドライブしてみてはいかがでしょうか。

大涌谷の開放に伴って箱根ロープウェイも全線に渡って運行が再開されました。ロープウェイに乗ると箱根の自然と富士山、芦ノ湖、大涌谷が一気にお楽しみいただけます。ルートは早雲山から芦ノ湖の桃源台までで、全線に乗るには途中の大涌谷で一度乗り換えるのですが、全部で16分ほどです。

これからは紅葉の季節。11月の上旬から12月の上旬くらいが紅葉の見頃になるでしょう。その少し前に、仙石原の台ヶ岳という山の斜面ではススキの草原が広がります。太陽の光を反射して黄金色に輝くその様子は初秋の箱根の名物で、例年10月の中旬くらいからお楽しみいただけます。そして紅葉の名所として人気なのが、その仙石原の長安寺です。山道を抜けて行くと木漏れ日の中で紅葉が堪能できます。この仙石原は箱根湯本からクルマで20分ほどです。

イベントなら11月3日に箱根の秋を彩る「箱根大名行列」が行われます。箱根湯本の旧東海道を武将の格好をした人々が練り歩く、豪華絢爛で見応えのある行列なので、ぜひご覧いただきたいと思います。

箱根の名産でしたら芦ノ湖産のワカサギです。芦ノ湖周辺の飲食店でワカサギのフライなどが食べられます。釣りがお好きでしたらボート屋でボートを借りてご自身でワカサギを釣るのも楽しいのではないでしょうか。ボートから見える芦ノ湖の眺めは、岸よりも低い位置から周囲を見上げるのでひと味違う風情をお楽しみいただけます。


◆「箱根七湯は江戸時代から大人気でした」
~神奈川県温泉地学研究所 主任研究員 菊川城司さん

一番最初に箱根温泉が発見されたのは奈良時代とされています。お坊さんが箱根湯本の温泉を発見したのが最初だったと伝わっているのですが、その後も平安時代や戦国時代にどんどん温泉が見つかって、江戸時代になると「箱根七湯」と呼ばれるようになりました。

箱根七湯は箱根湯本、塔之沢、堂ヶ島、宮ノ下、芦之湯、底倉、木賀の7ヵ所。昔は温泉を掘る技術がなかったので、自然に湧き出る温泉だけを使っていました。そして水が自然に湧くのは谷間なので「富士山の見えるところに温泉はない」などと言われたんです。現在は温泉を掘る技術が発達したので、山の上の温泉に浸かりながら富士山を見ることもできるようになりましたが。もちろん昔ながらの箱根七湯も、現在も現役として利用されています。

江戸時代の前期までは温泉といえば湯治で、病気の治療に利用されていました。7日間を1セットにして3回り、合計21日間の温泉療養が基本的な利用方法だったようです。それが江戸時代の中期になると観光や遊びで温泉を訪れる人が増えて、1泊だけ温泉宿に泊まって帰る「一夜湯治」が多くなります。そうやって今の観光に近い形になっていきました。21日の宿泊ともなるとよっぽど裕福じゃないと難しかったのですが、江戸時代の中期になると庶民もそれなりに余裕ができて、1泊旅行くらいなら可能になっていたようです。

現在の箱根は日帰り用の温泉もたくさんあります。姥子(うばこ)温泉のある旅館では自然に湧いている温泉を使っているので、春になって雨が降り始めると地下水がどんどん上がって温泉が湧き始めます。そして夏くらいまではジャンジャン出るのですが、秋冬になって雨が少なくなるとお湯が枯れて湯船が空っぽになるというめずらしい温泉です。

温泉場の数でいえば箱根は全国で7位くらい。でも旅館の数や宿泊客の数は1位です。東京に近く、昔から箱根七湯が有名だったこともあって、訪れる方が多いのでしょう。クルマでしたら芦之湯温泉はいかがでしょうか。ここは全国的にもめずらしい弱アルカリ性の硫黄泉で、箱根ではここだけという貴重な湯を体験できます。

(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」10月8日放送より)

最終更新:10/15(土) 12:05

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