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岡山県内でウナギ養殖参入相次ぐ メーカーやレジャー産業が新収益源に

山陽新聞デジタル 10/15(土) 12:40配信

 岡山県内でウナギの養殖事業への新規参入が相次いでいる。2014年にニホンウナギが国際自然保護連合の絶滅危惧種に指定され、養殖量が制限されるなど業界を取り巻く環境は厳しいが、新たな岡山の特産品や収益源に育てようと、住宅や金型メーカー、レジャー産業などが事業化に取り組んでいる。

 昭和住宅グループのスウェーデンホームジャパン(兵庫県加古川市)は今春、運営する入浴施設・後楽温泉ほのかの湯(岡山市北区奥田南町)の駐車場に容量20トンと3トンの水槽計9基を設置し、ウナギの養殖を始めた。海水をろ過しながら循環できるジャパンマリンポニックス(同市南区内尾)の水槽を使用。入浴施設で培った温度管理や水質管理のノウハウを生かし、ほのかの湯の従業員が兼務で飼育に当たっている。

 6月末現在で約2万2千匹を育てており、ほのかの湯の食堂で近く提供する予定。これまでは購入したウナギを使っていたが、担当者は「自社で養殖することで価格変動に左右されず、安定してウナギ料理を提供できる」と狙いを説明する。

 日本養鰻(ようまん)漁業協同組合連合会(静岡市)によると、国内の養殖業者は稚魚の価格高騰による飼育コストの上昇、安価な輸入品の増加などで減少傾向にあり、ピークだった1970年代前半の6分の1、約500社に減っている。14年には稚魚の乱獲防止のため、養殖業に届け出制が導入されたが、ウナギの根強い人気に着目し、異業種から参入する動きもみられる。

 3年前に養殖事業に参入した金型製造のタカハタ(倉敷市福江)は、運営する倉敷アクアファーム(同)が20トンの水槽2基でニホンウナギ約3万匹を飼育する。水質を徹底管理し、病気予防の薬も使わないのが特徴という。「倉敷うなぎ」のブランド名で、倉敷アイビースクエア(同市本町)など岡山県内の飲食店向けに販売している。

 「餌を増やし、水温を調節すれば短期間で育てられるが、天然物に近づけるため、1年~1年半かけて育成している。岡山の特産品にしたい」と同社。売れ行きも順調という。

 レジャー産業の成通グループ(岡山市北区駅前町)は赤磐市内の養殖場でニホンウナギを育て、7月から「岡山桃太郎」のブランド名で岡山市中央卸売市場に出荷している。グループ企業・SEITSUファーム(赤磐市吉原)のビニールハウス2棟に養殖池4面を整備。現在3万4千匹を育てている。

 同社の宮城隆幸場長は「将来的にはウナギの加工業務も手掛け、地域の雇用促進に貢献したい」と話している。

最終更新:10/15(土) 12:40

山陽新聞デジタル