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光触媒は日本のお家芸!人工光合成で世界最高水準に

ニュースイッチ 10/15(土) 13:07配信

NEDOなど、水から水素生成で変換効率3%達成

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と三菱化学などの研究グループは、光触媒を使って水から水素を生成する人工光合成で世界最高水準となる3%の太陽光エネルギー変換効率を達成した。2015年3月に2%へ到達後、光触媒の作り方を改善して1年半で1ポイント向上させ、植物の光合成の10倍に高めた。寿命も延ばし、水素発生を安定化させた。今後は21年度に実用化の水準となる10%を目指す。

 光触媒は光を吸収すると強力な酸化力が発生する物質。外壁のコーティング剤に使われる光触媒は酸化力で汚れを浄化する。NEDOの人工光合成装置は水中に光触媒を入れて光を照射し、酸化力で水を分解して水素を取り出す。

 3%を達成した装置は酸素発生用にバナジン酸ビスマス、水素発生用に銅・インジウム・ガリウム・セレンを光触媒として採用。酸素用、水素用の順で光を二段階利用できるタンデム構造とした。
 2%の時点では照射を続けると効率が低下していたが、3%を達成した現在は低下がほぼ見られなくなった。
 
 30年ごろを想定する商業運転では、火力発電所の排気から回収した二酸化炭素(CO2)と、人工光合成プラントで生成した水素を合成し、化学原料のオレフィンを作る。実現すると温暖化を招くCO2、水、太陽光から樹脂製品を製造できるようになる。

 NEDOと開発する人工光合成化学プロセス技術研究組合には三菱化学、富士フイルム、三井化学、住友化学、TOTO、国際石油開発帝石、ファインセラミックスセンターが参画。東京大学の堂免一成教授らが協力する。

 日本では人工光合成の研究が活発で、パナソニック、東芝、豊田中央研究所がCO2と水から有機物を生成する装置の開発を進めている。

【人工光合成】
 人工光合成に決まった定義はない。太陽光エネルギーを使い、CO2と水から酸素とでんぷんを作る植物の光合成を模したプロセスを人工光合成と言う場合が多い。広義には太陽光エネルギーを使い、他のエネルギーを生み出すことも含むとされる。パナソニックなどはCO2と水を原料に太陽光の働きで有機物を作る。NEDOは、太陽光で水素を製造後にCO2を利用して化学原料を作る。

 人工光合成は大気中に放出されるCO2を回収して資源化するので、温暖化対策が期待されている。また水とCO2が原料なので、化学品やエネルギーを作るための化石資源の使用を減らせる。

最終更新:10/15(土) 13:07

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