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維新派ラスト公演はじまる、当日券も

Lmaga.jp 10/15(土) 8:00配信

10月14日に奈良・平城宮跡(奈良県奈良市)で、大阪の劇団・維新派による最後の野外公演『アマハラ』が開幕。本作は、2010年初演の『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』の改訂版。製作の初期段階で主宰・松本雄吉が逝去したが、劇団員たちが遺志を継ぎ、音楽の内橋和久など長年劇団に携わったスタッフの協力を得ながら、松本の夢見た風景をあざやかに立ち上げた。

【写真】松本が遺した創作ノートのコピー

廃船を思わせる舞台上に、白塗りの少年たちが少しずつ現れる。彼らはやがて旅人となり、20世紀初頭に南洋の島々に移り住んだ、実在の日本人移民たちの記憶を語り始める。フィリピンで麻の栽培に励む者、サイパンに大きな日本人街を作った男、歴史に残る難工事・ベンゲット道路の建設に挑んだ人々・・・。特にベンゲットのシーンは、労働者たちのエネルギッシュな動きと、維新派名物の巨大な可動式舞台装置の出現に圧倒された。

ノイズ音とともに場面を一瞬で変化させるという、今までの維新派では記憶にないシーンのつなぎ方に「お?」と思った以外は、松本不在のギャップはまったくと言っていいほど感じられない。それは劇団員たちが「維新派とは何か?」をしっかりと見据え、松本の意識に極限まで近づこうとした成果の現れだろう。そしてラストには、様々な旧作の歌詞を融合した曲を新たに追加。今の劇団の思いのすべてを込めたような内容に、こみ上げてくるものを抑えられなかった。

前売チケットは完売したが、全公演とも当日券を20枚程度発売する予定。併設の屋台村は、チケットがなくても入場ができる。以前、松本雄吉は「旅行に来て、ついでにうちの芝居を観てくれたらいい」と笑って話していた。それは観客に「旅」をしてもらうこと自体が維新派の主目的であり、芝居はその動機づけの一つだという、松本のスタンスを示す言葉だった。できれば舞台を観てほしいが、まずは平城宮跡まで旅をしてほしい。それだけでも松本に言わせれば、立派に維新派を体験したことになるのだから。チケットは5,500円、公演は24日まで。

取材・文/吉永美和子

最終更新:10/15(土) 8:00

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