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公務員は「恵まれている」? あるLGBTが選んだ“告白”と“結婚” 当事者を苦しめる「小さなウソ」

withnews 10/17(月) 7:00配信

 国と地方の公務員の数を合わせると、約333万人。当たり前ですが、この333万人の中にも、LGBT(性的少数者)はいます。ここ数年、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認め、会社の福利厚生を受けられるようにする企業が出てきています。お堅いと言われる公務員の世界でも、ごく一部ですが、認められてきています。あるゲイの公務員男性に、話を聞きました。職場でカミングアウトしていますか? 周囲の理解はありますか? (朝日新聞東京社会部記者・原田朱美)

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自治体職員のカミングアウト

 30代のAさんは、東京都世田谷区役所の男性職員です。
 入庁した最初の年に、自分がゲイであることを、職場の同僚に話したそうです。

 「役所は堅いというイメージがあるみたいで、『よく言えたね』って友人から言われます。でも僕の場合は、そうでもなかったですね。職場の人間関係がよくて、居心地がよかった。もともとカミングアウトすることに抵抗が少ないので、両親や友人に話していました。職場でも、ウソをついて同僚と接するより、正直でいたいと思いました」

 世田谷区は2015年11月、区内で生活を共にする同性カップルを「結婚に相当する関係」と公的に認める制度を始めました。

 そして2016年春からは、区職員に対しても、待遇改善に取り組んでいます。
 区職員からなる「区職員互助会」が、同性のパートナーがいる職員に対して、結婚祝い金の支給ができるよう規則を変更したのです。
 自治体職員に認めたのは、全国初と言われています。
 その後、那覇市が続きました。
 Aさんには、共に暮らす年上のパートナーがいます。
 会社員で、LGBTのイベントで知り合いました。

 「全然タイプじゃなかったんですけど(笑)」

 照れくさそうに、記者に紹介してくれました。

 5月、Aさんは早速この結婚祝い金の申請をしました。
 申請書を、見せてもらいました。丁寧な字で、ふたりの名前が書き込まれています。
 Aさんは言います。

 「運がよかったと思います。民間企業を含め、同性カップルを認める職場はまだ少ないですから」
 「お金がほしいわけじゃ、ないんですよね。『同性カップルのあなた方は対象外です』と排除されている感じ、社会に祝福されていない感じが、切ないんです」
 「男女のカップルなら誇らしげに『この人と一緒に歩んでいきます』と言えるのに、隠さなくてはならないのが、悲しい。カミングアウトしていなかったら、本人たち以外誰も知らない関係になりますから、本当に心細いと思います」

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最終更新:10/17(月) 7:00

withnews

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