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展開早いよ『べっぴんさん』 本題は第3週、戦後の廃墟から始まる

オリコン 10/16(日) 15:32配信

 NHKの連続テレビ小説といえば、例外はあるが女性の一代記を半年かけて描くもの。この10月から始まった『べっぴんさん』は、これまでの多くの作品が3ヶ月くらいかけて描いた幼少期から結婚、出産するまでをたった2週で描き切ってしまう展開の早さ。しかし、長い前書きだったと言えなくもない。

【写真】第1回~第12回の名場面を振り返り

 ヒロイン・坂東すみれ(芳根京子)が変わり果てた神戸の街を見下ろすシーンに始まり(第1回)、空襲で焼け野原になった自宅跡の瓦礫(がれき)から半分焼け焦げたウエディングドレスを見つけて涙した後、娘のさくらを何が何でも守っていこうと気持ちを奮い立たせるまで(第12回)。

 語り(菅野美穂)でも「本当に大変なのはここからなのです」と伝えているとおり、物語の本題に入るのはこれから。裕福な家庭に生まれ、順風満帆に思われたヒロインの人生が、戦争ですべてを失い、働いたことなどない女同士で、気づけば会社まで起こし、子ども服づくりにのめり込んでいくところにある。

 展開が早かった第1週(第1回~第6回)と第2週(第7回~第12回)をおさらいすると――。第1回は、昭和9年(1934年)にさかのぼり、すみれ(渡邉邊このみ)は9歳。繊維会社を営む父・五十八(生瀬勝久)と姉・ゆり(内田彩花)は、神戸の山の上に新築した屋敷に引っ越してきた。入院中の母・はな(菅野美穂)を元気づけるため、ハンカチに刺しゅうをしてあげようとするが、拙さのあまり、渡すことができなかった。しかし、家に出入りする靴屋の麻田(市村正親)から「大切なのは、作る時にこめられた思いだ」ということを教えられたすみれは、再び刺しゅうに取り組む。そして、すみれは母に「将来はもらった人が笑顔になる『べっぴん』を作れるような人になる」と誓うのだった。

 刺しゅうが得意でやさしかった母は第5回で亡くなり、その後半から昭和17年(1942年)に進み、17歳になったすみれ(芳根)が登場。女学校のクラスで仲がいい多田良子(百田夏菜子)と田坂君枝(土村芳)と手芸倶楽部を結成していた。第6回で、幼なじみの野上潔(高良健吾)への淡い恋心に気づいたすみれだったが、ゆり(蓮佛美沙子)も潔のことを思っており、2人が結婚することになって、すみれの初恋は終了。第9回ですみれのもとにも縁談話が持ち込まれ、相手は幼なじみの田中紀夫(永山絢斗)だった。

 第10回、昭和18年(1943年)6月、すみれは母の形見のウエディングドレスを着て結婚式を挙げる。その数ヶ月後には赤ちゃんを授かるが、紀夫のもとに召集令状が届く。第11回、翌年の6月、すみれは元気な女の子を産み、紀夫との約束どおり「さくら」と名付けた。第12回、戦況が悪化し、一家は五十八の実家、近江に疎開。そして、玉音放送を聞き、終戦を迎えたことを知る。

 第3週も展開はめまぐるしい。戦後の食糧不足の中、近江でつらい日々をすごすすみれとゆり。そんな時、潔が戦地から帰還。すみれは神戸に戻り、潔とゆりは大阪で新しい生活を始める。幼い娘を抱えながら夫の帰りを待つすみれは、靴屋の麻田の店の一角で手作り品の販売を始めることになる。

最終更新:10/16(日) 15:35

オリコン