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10月18日から訪日するブラジルのミシェウ・テメル大統領とは

MEGABRASIL 10/16(日) 12:18配信

財政再建と政治改革が課題

10月18日(火)~20日(木)の3日間の日程でブラジルのミシェウ・テメル大統領が訪日する。8月末の正式就任から1カ月半になる新大統領は、深刻な景気低迷や、前政権の中枢を巻き込む汚職事件への対応など、多く難問を抱えている。

このテメル大統領とは、どんな人物なのか。

ブラジル大統領府によると、テメル大統領は1940年、サンパウロ州チエテ市で、レバノン移民の家族の末っ子として生まれた。サンパウロ大学法学部を卒業、同大学で修士号を取得した後、サンパウロ・カトリック大学で法学博士を取得した。自身もカトリック教徒。法律書の著作もある。

政治家に転身する以前は、法律家としてキャリアを積んできた。1970年、サンパウロ州検察庁の検事に就任した後、同州の検事総長、公安局長を歴任している。

1987年、「中道」と位置づけられるブラジル民主運動党(PMDB)から出馬し、サンパウロ州選出の下院議員を6期務めた。1997年以降は、3度にわたって下院議長を務めている。2010年、連立政権を組んでいた労働党(PT)のジウマ・ルセーフ政権で副大統領を務めた。

2016年5月、政府支出の不正会計をめぐる弾劾手続きでジウマ前大統領が停職となったのにともない、大統領代行に就任。その後、8月31日にブラジル上院議会がジウマ前大統領の罷免を決議したことを受け、同日、正式に大統領に就任した。任期は2018年末までで、次期大統領選挙へは不出馬を表明している。

そんなテメル大統領が直面している急務のひとつが、財政再建だ。

ブラジルは深刻な景気後退に直面している。ブラジル地理統計院によると、2016年第二四半期のブラジルの国内総生産(GDP)は、前年の同じ時期と比べて3.6%減で、6期連続のマイナス成長となっている。同年第一四半期との比較では、全業種でマイナス幅が縮小しており、最悪期は脱しつつあるとの見方が出ているものの、依然として厳しい経済状況が続く。

テメル大統領は、暫定的に大統領となった5月以降、インフラ整備関連のプロジェクトで政府の関与を減し、民間主導とする投資・パートナーシップ・プログラムを打ち出している。地方空港、港湾、鉄道網の拡充などのインフラ投資に着手するとしている。

9月5日には、中国で開かれたG20の際に、日本の安倍晋三首相と会談し、ブラジルへの投資を呼びかけた。テメル大統領は会談の席で、肉類や果物をはじめとした農産品の日本向け輸出の拡大も強調したとされる(ブラジル大統領府ウェブサイトによる)。

景気低迷で財政出動を迫られる一方で、財政難のブラジル政府は、財政赤字の削減も急務となっている。2017年度の歳出増を実質ゼロとする予算編成方針を打ち出した。今月10日には、ブラジル下院が政府の歳出に上限を設ける憲法改正案を賛成多数で可決している。また、財政再建関連では、年金改革も政治課題となっている。

そして、新政権につきつけられているもうひとつの大きな課題が、政治改革だ。

ブラジルでは、国営石油会社ペトロブラスをめぐる大規模な不正献金事件の捜査(ラヴァ・ジャット作戦)が続いている。

ブラジルの検察当局は10月10日、ルーラ元大統領を起訴し、裁判所も受理を決定した。ルーラ氏への訴追は3度目となったが、復数の現地報道によれば、関与が取り沙汰されている政財界関係者は数百人にのぼるという。

ペトロブラスをめぐる一連の事件は、ルーラ、ジウマ・ルセーフと続いた労働党政権関係者が中心とされているが、テメル大統領の民主運動党も、労働党と連立を組んでいたことから復数の国会議員らの関与が浮上しており、テメル大統領自身に対する疑惑もくすぶっている。

新政権の中枢に飛び火すれば、ブラジル政界は再び混乱状態に戻る可能性もある。検察当局の捜査の行方が注目されている。

(文/小島寛明)

最終更新:10/16(日) 12:18

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