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鉢物リンドウ EUに知財権輸出 収入は品種改良に 岩手県八幡平市

日本農業新聞 10/16(日) 7:00配信

 岩手県八幡平市は、特産の鉢物リンドウの商業栽培権を欧州連合(EU)の農家に販売する「知的財産権の輸出」を始める。EUでは鉢物の市場規模が日本よりも大きいが、植物防疫上、土の付いた鉢物をそのまま輸出することができない。このため、現地の農家に栽培権と種苗を売る形でEUでの需要を取り込み、新たな収入源を得て種苗生産や品種改良などに充てる。

 市によると、公的機関が品種登録した花きの知的財産権をEUに輸出するのは全国で初めて。

 EUの鉢物リンドウの年間取扱数量は日本国内の10倍以上の約300万鉢。ただ、鉢物の状態だと根に付着した土を国外に持ち出せないため、そのまま輸出するのは難しい。土を使わずに試験管内で組織培養した種苗を輸出し、栽培や増殖を許可する権利と併せて販売することにした。

 輸出するのは、1999年に国内で品種登録した「メルヘンアシロ」と「シャインブルーアシロ」。両品種ともEU内で品種登録しており、上旬に第1便として2000鉢分を輸出した。

 市は、農産物品種の権利管理などを手掛けるニュージーランドのグリーンハーベストパシフィック(有)と契約を結び、EU内で栽培権を販売する。

 第1弾として同社はオランダの花き生産者でつくる協同組合CNBの子会社、マーキュリアス(有)と契約。同国の農家はマーキュリアスを通じ、品種の使用料として売り上げの3%を支払う。

 市内では全リンドウ農家で組織する一般社団法人・安代リンドウ開発が市と連携し、種苗の生産や品種改良を手掛けている。市は栽培権の販売で得た収入を同法人の経費に充てて、農家の負担軽減につなげたい考えだ。

 市花き研究開発センターの日影孝志所長は「EU市場で安代リンドウの知名度を高め、他の花きの輸出にも弾みをつけたい」と期待する。

日本農業新聞

最終更新:10/16(日) 7:00

日本農業新聞