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工藤ホークス逆襲3発 崖っぷちで天敵KO

西日本スポーツ 10/16(日) 8:20配信

 きょう逆王手だ! 工藤ホークスが一発攻勢で快勝した。2回に長谷川の先制弾を号砲に、中盤に今宮、松田もアーチで続き、突き放した。選手会長の先制パンチで天敵高梨を攻略し、先発バンデンハークは6回2失点の好投と投打の歯車がかみ合った。崖っぷちには変わりないが底力を見せた男たちが、3連覇が懸かる日本シリーズへの道を切り開く。待ってろカープ!

レアードに“すし”を握らせず、ガッツポーズのバンデンハーク

 徳俵に足をかけて、戦局を動かした。今季無傷の3勝を許した高梨に、5番長谷川が牙をむいた。2回1死。フルカウントから外角低めの直球を振り抜く。「どうかな」と見やった中堅左への打球はスタンドまで届いた。「ちょっと(バットの)先だったけど、気持ちで持っていった」。今季8打数4安打だった相性通りのポストシーズン(PS)初アーチで先制した。

■天敵高梨に先制パンチ

 4回は長谷川の四球後、今宮が2ランで、この回限りで高梨をKO。6回の松田のソロで、動くまでもなくなった工藤監督は「追いかけるより、追いかけさせるのが大事。追加点が入れば相手も細かい攻撃ができなくなる」。球団でPSの1試合チーム3発以上は現行プレーオフ元年の2004年、城島、井口、松中、ズレータのそろいぶみ以来。指揮官には「みんなの思い切りが良くなった」と見えた。

 9月28日のV逸後。長谷川は虚脱状態にあった。「本当なのかな」。妙な非現実感があった。「リーグ優勝を許したことを受け入れられない。でも新聞を見たら、日本ハムが優勝してて」。2日後にやっと「そうなんだな」と思えた。空白の時を越え、CSファーストSでロッテを破り「札幌に行ってきます。そして帰ってきます。北の大地まで届く熱い声援を」とたんかを切って、今に至る。

 先制V弾の男は、お立ち台で一言一句をかみしめた。「まだ、みんなと野球がしたい。そういう気持ちで試合に挑んだ。昨日の負けは僕にも責任がある。今日は絶対、チームを勝たせる打撃をしようと」。14日の第3戦で今CS初めて先発から外れた。古傷の右足首の状態も考慮した判断。首脳陣の説明はそうだった。

 当の長谷川の感覚では「僕はいつも通り」だった。「常に試合に出る準備はしてきた」。14年オフの手術から、その繰り返しだった。選手会長に就任した今季も熊本・大分地震被災地の復興支援に奔走する一方、グラウンドでは先発とベンチを行き来した。練習とケア。心を砕き、ただ一言を待った。「どんな状態でも…。『それでも行ってくれ』と言われたら、行く」

■「まだみんなと野球を」

 工藤監督は「このまま明日も『変化球きたらごめんなさい』ぐらいの感じでいってくれたら。とにかく悔いのないようにゲームをしなきゃ」と打者陣の背中を押す。長谷川が言葉を連ねた。「もう土俵際まできて。さあこっからというところ。みんなの集大成。『勝つ』とかっていうより…意地や、1年間やってきたことを出し切れるか。そのことに尽きる」。王者の看板はない。ただ、道はまだ続く。

=2016/10/16付 西日本スポーツ=

西日本スポーツ

最終更新:10/16(日) 8:20

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