ここから本文です

こども一人だけに向き合う時間をつくろう

ニュースソクラ 10/16(日) 19:02配信

【いま大人が子供にできること(23)】『きんようびはいつも』が教えてくれる一人っ子政策

 純粋に子どものために描かれた絵本でも、大人に役に立つことがあります。
 子どもの本は、出来事が具体的に語られるので、理解しやすいうえに真似もしやすいからです。

 この『きんようびはいつも』(ダン・ヤッカリーノ作、青山南訳、ほるぷ出版)の主人公は、毎週金曜日がくるのを楽しみに待ってる一年生くらいの男の子です。
 金曜日にはいつもより早く家を出て、近くのダイナー(食堂)でお父さんと朝御飯を食べることになっているからです。
 そのときだけはお父さんを一時間も独り占めできて、話したいことを話せる……。彼はそれを一週間、楽しみに待っているのです。

 このお父さんは、別にマッチョだったりカッコイイ人ではありません。
 なで肩で、普通のサラリーマンのように見えます。
 でもこの子にとっては最高のお父さんだよね?

 こういうことはコロンブスの卵で、思いつくのは結構難しいものですが、絵本はたった10分読むだけで、そのノウハウを教えてくれます。
 なーんだ、こういうことをすればいいのか、ということを―。

 一度わかってしまえば応用することもできます。
 サッカー教室でもいいし、プールにいくのでも、釣りに行くのでもいい……。
 とにかくその時間、その子とだけ向き合ってその子に神経を集中する時間を作ればいいのです。

 子どもが何人いても、この一人っ子政策は有効です。
 大勢きょうだいがいればなおさら、親を独り占めできる時間は嬉しいでしょう。

 そのときに大事なことは、そのあいだはその子を見、その子に意識を集中することです。
一緒にいてもほかのことを考えているのでは意味がありません。
もう一つ大事なことは、一緒にやっていることを本当にその子が喜んでいるかどうか、立ち止まって考えることです。

 お父さんが、自分のやりたいことに子どもをつきあわせていると、その子はそれが好きな振りをしなければならなくなります。
 お父さんと一緒にいたいから……。
 そうしたらその子は感じるでしょう。
 お父さんは、本当はぼくのことはなんにもわかっていないのだと……。

 人間はどうしても、自分のしたいことを無意識に優先させるものですから、自分の好きなことを息子も好きに決まってる、と思いたい……。
 でも本当はそうじゃないかもしれないのです。

 それを認識できるのは、観察力と、洞察力です。
 そうして、自分の好きなことより、子どもの好きなことを優先させることができるのは、子どもを愛しているからなのです。

■赤木 かん子(本の探偵)
1984年、子どもの本の探偵としてデビュー。子どもの本や文化の評論、紹介からはじまり、いまは学校図書館の改装からアクティブラーニングの教えかたにいたるまで、子どもたちに必要なことを補填する活動をしている。
高知市に「楽しく学校図書館を応援する会」として学校図書館モデルルームを展開中……。
著書多数。

最終更新:10/16(日) 19:02

ニュースソクラ

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。