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悪臭さよなら、細菌増殖も防ぐ簡易トイレ 災害時に活躍、大小便を分離処理

福井新聞ONLINE 10/16(日) 8:39配信

 コンクリート2次製品など製造販売のホクコン(本社福井市、花村進治社長)は、大小便を分離処理して悪臭などの発生を防ぐ簡易トイレを商品化し、全国販売を始めた。排せつごみを減量しながら低コストで使えるのが特長。水や電気も止まった災害時に既存のトイレにはめ込んで使えるため、避難所などでプライベート空間の確保もできる。

 商品名は「UDドライトイレ」で「トイレの未来を考える会」の代表を務める京都大大学院の清水芳久教授が開発。防災・水利用事業に力を入れるホクコンが清水教授の監修を受けて商品化し、販売にこぎ着けた。

 プラスチック段ボール製で、サイズが約50センチ四方の組み立て式。折りたたむと、厚さ16センチで保管できる。単体でも座って使えるほか、和式・洋式の便器にも対応。前部にじょうごを装着して専用容器かペットボトルで尿を回収、後部にはレジ袋を付けて大便を回収する。簡易トイレ本体は水で洗えば繰り返し使える。

 同社によると、1人当たりの排せつ量は、尿が1日1~1・5リットル、大便は同0・3リットル。従来の簡易トイレは大小便を一緒に回収して凝固剤で固める必要があるが、尿によって排せつ量が増えてしまう難点があった。尿と大便が混ざると、悪臭や病原菌も増えやすいという。

 UDドライトイレは尿と大便に、それぞれ消石灰を掛けてアルカリ化し、細菌の増殖を防ぐ。大便は乾燥しやすくなり、可燃ごみとして焼却処分できるほか、農業用肥料にもなる。尿は大便と同様に肥料にでき、病原菌がほとんど含まれないため、緊急時は放流もできる。消石灰は凝固剤の10分の1程度の低コストで、学校などで白線に使う炭酸カルシウムでも代用できる。

 価格は本体や尿の回収容器、ポリ袋、消石灰1キロなどが入った1セットで税抜き2万円。自治体や企業、高層マンションの住民など幅広い需要を見込んでおり、まず1万セットの販売を目標としている。

 同社環境事業部の担当者は「これまで耐震性貯水槽や非常用トイレ槽の販売にも力を入れてきたが、インフラに頼らない商品もそろえることで防災・水利用事業を充実させていきたい」と話している。問い合わせは同事業部=電話0776(38)4017。

最終更新:10/17(月) 10:01

福井新聞ONLINE