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化粧品・日用品メーカーに広がる「生活指数」予報、購買行動に結びつけられるか?

日刊工業新聞電子版 10/16(日) 9:30配信

販促効果には課題

 化粧品・日用品メーカーが、自社の研究と気象データを組み合わせた“生活指数”の予報提供に力を入れている。資生堂が9月に開始した「シミ・リバウンド指数」をはじめ、ポーラ(東京都品川区)、ユニリーバ・ジャパン、P&Gも日本気象協会と連携し生活指数を提供。アース製薬は国立感染症研究所と、「蚊の飛び始め予報」を開発した。日用品と化粧品は、天候や季節と密接に関係する。各社は生活指数が消費者の気付きを促し、商品購入の動機につながるとみて市場活性化を狙う。(山下絵梨)

■親和性
 時々刻々と変化する気象情報は、毎日使う日用品や化粧品と「非常に親和性が高い」(日本気象協会)。同協会のウェブサイトで公開中の「シミ・リバウンド指数」は、紫外線や湿度の気象データからシミが悪化するリスクを予報する。美白化粧品を展開する資生堂の研究を基に、全国142地点ごと5段階で算出した。

 ポーラは気象が肌に及ぼす影響を、全国47都道府県ごとに予報した「美肌予報」をウェブサイトで公開している。ポーラが蓄積した1500万件以上の肌解析データと、同協会の気象データから算出した。肌の手入れのアドバイスなども表示する。こうした予報の提供は、メーカーにとって関連製品の消費を促す狙いがある。資生堂は「秋冬に美白ケアを止めてしまう人が多い」と指摘。気温や湿度の低下でシミの悪化を招きやすいため、美白化粧品の使用を継続することを推奨する。

■ユニーク指数
 公開は終了したが、日用品メーカーの予報もユニークだ。ユニリーバ・ジャパンは、気候と雑菌の増殖しやすさを表した「除菌指数」を提供し、住居用洗剤の販売促進につなげた。P&Gは、花粉や微小粒子状物質(PM2・5)の飛散度から洗濯物の「部屋干し指数」を提供。これに合わせて、部屋干しに対応する衣料用洗剤の新製品を発売した。

 ただ、各種の予報が消費効果にどれほど貢献するかは未知数だ。アース製薬は、蚊の対策開始に最適な時期を予想した「蚊の飛び始め予報」を、3月に公開した。店頭では販売促進に活用したものの、同社は「早めの対策を必要とする購買行動には結びついておらず、課題を残した」と分析している。

■科学的な裏付け
 P&Gは「効果測定が難しい」と話す。このため、売り上げを期待するより「取っかかりにして、製品につなげアピールできれば」と振り返る。さらに、化粧品は薬事法に触れる可能性があり、予報と結びつけた訴求のハードルが高い。

 それでも、科学的根拠に基づく予報は、消費者からの信頼が高いとみるメーカーが大多数だ。ポーラは、蓄積するデータなどの応用方法や提供する内容を工夫して、今後も予報を継続する方針。アース製薬も「(早期対策が)お客さまの認識につながった」として、2017年以降も内容を改良して継続する考えだ。

最終更新:10/16(日) 9:30

日刊工業新聞電子版