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消えゆく「公団ゴシック」 高速道路独特のあの書体

乗りものニュース 10/16(日) 10:02配信

画やハネなどを省略した独特な書体「公団ゴシック」

「高速道路独特の文字」を使った標識がいま、数を減らしつつあります。それを見られる時間はもう、限られているかもしれません。

 高速道路の標識には、これまで和文に「公団標準文字」、いわゆる「公団ゴシック」と呼ばれるフォントが使われてきました(英文は「ノイエ・ハース・グロテスク」)。「公団」とは、民営化されてNEXCO各社などになる前の「日本道路公団」のこと。2005(平成17)年まで日本の高速道路などを建設、管理してきた特殊法人です。

 1963(昭和38)年7月、日本で最初の高速道路として名神高速の栗東IC~尼崎IC間71.7kmが開通しました。そのときから標識に使用されているのが「公団ゴシック」です。

 このフォントは、遠くから、そして速く移動するクルマからでも認識しやすいよう、字の画が直線的にデザインされ、さらに画やハネなどが省略されるなど、独特のものになっています。しかしこの「公団ゴシック」を使った標識は、近い将来、見られなくなるかもしれません。

「公団ゴシック」使用終了の背景にあった特有の事情

「公団ゴシック」は、長年にわたり全国で使われたことから、問題を抱えるようになりました。標識メーカーそれぞれが製作し続けてきたため、文字ごとのばらつきが著しく、フォントとしての統一感に欠けていた、というものです。また、字画を省略しすぎて、正字かどうか疑わしい字が散見されたこともあります。

 日本で高速道路が誕生した当時は、いまほどフォントの選択肢がなかった時代。高速道路で必要なフォントは、1字ずつ必要に応じて作るしかありませんでした。

 しかしデジタルフォントが普及した現在では、視認性に配慮したフォントも登場。1字ずつ個別にデザインしていた「公団ゴシック」を使い続けるよりも、販売されているフォントを導入するほうが効率的になってきました。

 そこで2010(平成22)年、NEXCOの3社が標識用の新フォントとして、和文に「ヒラギノW5角ゴシック体」、アルファベットに「ビアログミディアム」、数字に「フルティガー65ボールド」を採用しました。

 これらの新フォントは現在、新たに設置される標識や老朽化して交換される標識に使われています。つまり、「公団ゴシック」の標識はいまあるものだけで、今後、新たに作られることもないことを意味しており、NEXCO中日本は「当然、より減っていくことになる」と話します。

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最終更新:10/17(月) 18:57

乗りものニュース

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