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燃費向上のばら積み貨物船開発 サノヤス造船、倉敷・水島で建造へ

山陽新聞デジタル 10/16(日) 10:01配信

 造船中堅のサノヤス造船(大阪市)は、燃費性能を高めた新型のばら積み貨物船とタンカーを開発した。いずれも水島製造所(岡山県倉敷市児島塩生)で建造する。船の形状を大幅に見直し、船体に独自の「付加物」を取り付けて推進効率を高めた。海外勢との競争激化などで厳しい受注環境が続く中、技術力の高さで売り込んでいく。

 鉱物や穀物を運ぶ主力のばら積み貨物船は載貨重量8万1千トン。既存船の8万2千トンを改良し、燃費を約10%高めた。プロペラの近くに設置して水流を良くする金属板のフィン(特許取得済み)や、円筒形のダクト(特許出願中)など最新の省エネ技術を取り入れている。

 サイズは全長229メートル、幅32・2メートルと既存船と同じだが、喫水(水面から船底までの垂直距離)を従来の14・6メートルより20センチほど浅く設計。積載スペースはやや狭くなるものの、水深の浅い港に入れるようにした。

 タンカーは2006年を最後に建造していなかったが、世界的にばら積み貨物船の需要が減っていることを受け、10年ぶりに再開する。載貨重量は11万4千トン。11万5千トンの従来船をベースに、貨物船と同様の付加物を搭載するなどして燃費を約15%改善。入港できる港を増やすため、全長を6メートル短い243メートルとした。

 サノヤス造船は約3年分の手持ち工事量を確保しているものの、中国、韓国勢との競争激化や世界経済の減速などで、新造船の受注は冷え込んでいる。同社は「同型船の中では世界トップレベルの燃費性能を実現できた。国際的に強化が進む環境規制にも対応しており、他社に先駆けた市場投入で受注を伸ばしたい」としている。

 水島製造所は同社唯一の建造拠点で、15年度は5隻の新造船を引き渡した。従業員約500人。他に修繕を手掛ける大阪製造所(大阪市)がある。

最終更新:10/16(日) 10:06

山陽新聞デジタル