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ジュンスカ、新譜は30周年への「ファンファーレ」“進化”と“らしさ”を追求/インタビュー

MusicVoice 10/16(日) 12:30配信

 4人組ロックバンドのJUN SKY WALKER(S)が、14thアルバム『FANFARE(ファンファーレ)』を9月7日にリリースした。1988年にメジャーデビューを果たし、独自の強いメッセージを持った音楽で一世を風靡した彼らは、1997年に解散。しかし、2007年に復活、以後、宮田和弥(Vocal)、森純太(Guitar)、寺岡呼人(Bass)、小林雅之(Drums)の4人で精力的な活動を続けている。来年にバンドが迎えるメジャーデビュー30周年イヤーを目前に作られた今回のアルバムは、粗削りな8ビートで強いメッセージを伝えるといった、これまでのストレートな彼らのスタイルから趣を変え、彼ららしさを残しつつもスカ、アコースティックバラードなど今までに見られなかった新鮮味を見せ、ベテランというステータスに甘んじない積極的なチャレンジを推し進めている。今回そんな進化を見せた彼らの、アルバム制作に込めた思いを、今回はギタリストでコンポーザーの森純太に話を聞いた。

「進化したい」という部分と「らしさを残したい」という部分

――今回のアルバム『FANFARE』は、2007年のジュンスカの復活後、4枚目のオリジナルアルバムとなりますね。9月7日に渋谷でおこなわれたアルバムのリリースイベントでも少し宮田さんが触れられていましたが、何かこれまでのアルバムとは違った趣向があるのでしょうか?

 再来年がちょうどメジャーデビュー30周年で、それに向けてという思いもありましてね。実は30周年までの間にもう一枚、アルバムを出そうと考えているけど、ともかくそこに向かっての「ファンファーレ」というかスタート、初期衝動、初心忘れるべからずというところを、もう一回やろうという思いを込めているんです。

――具体的に今回のアルバム作りに向けて、何らかの狙いはあったのでしょうか?

 そうですね…。前作よりも、もうちょっとバリエーションを広げようと考えて曲を書いていったところとか。

――バリエーションという意味では、新たなチャレンジという点がいろいろあったと思いますが、それを今このアルバムでやろうと考えたきっかけはあったのでしょうか?

 きっかけというほどのものではないけど、前作は全体的にロックであまり方向性がぶれていないような、一曲一曲近い感じのロックのカラーで意図的にまとめた感じにしていました。だから敢えて対照的に一曲一曲を表情の違う感じの曲にしようと考えたんです。

――それでは、どちらかというと30周年というイベントに向けての気合いもありつつ、基本的には3枚目に続く4枚目という意味での、シンプルな方向で作られたということですね?

 そう、まあバランスというかね。前回はこんな感じだから今回はこんな感じ、というバランスで作ったんです。

――リリースイベントでは、宮田さんが「ギターは特に頑張ったよね」と言われていましたが、そういう意味では、曲作りでも、演奏のほうでもいろいろと…。

 確かに。まあ基本的に曲作りは僕一人ですけど、今回はアレンジャーも組んで、どういうギターを入れるとよりバリエーションを広げられるかな、という挑戦をしたんです。僕一人だけでやっていると、本当に今までの、過去十何枚のアルバムと変わらなくなっちゃうんですよ。その意味で新たな知恵を導入して今回はチャレンジしているので、弾き慣れないフレーズが出てくるんだけど、そこは自分の幅を広げるためにどんどん挑戦しました。

――ジュンスカの皆さんも、それぞれの活動でプロデュース等もされていると思いますが、今回は作詞、作曲、プロデュースなどで外の方との共同制作という形をとられていますね。敢えてそうされた理由は何かあったのでしょうか?

 「進化したい」という部分と「らしさを残したい」という部分ですね。客観的な部分というか。自分たちだけだと「らしさ」は残るけど、どうしても進化できないし、逆に僕は「らしさ」から逃げ出したいというか「こんなところだけじゃないんだぜ」というところを見せたいところがあるんです。

 そこで「ファンファーレ」を一緒に作ったNAOKI-Tくんや、2曲目の「裸の太陽」を一緒に作った野村陽一郎くんが生きてくるわけなんですが、彼らはジュンスカのファン世代で、彼らから「これですよ、もうこれこそがジュンスカらしい!」と言われると「あ、やっぱりそれでいいんだ」と気付いたり、逆に新たな観点も見えたり。

――全体的にシンプルというか、ライブ感の強いサウンドのイメージですが、確かに細かいところで多彩なテクニックを用いられていますよね。

 そうなんです、自分では考えられないことも多かったですしね。

――ちなみに今回のアルバムに向けては、どのくらいの曲数を準備されたのでしょうか?

 全体の11曲に、プラス4~5曲だったかな。

――アルバムの準備の際には、大体このボリュームがあれば出来るな、というところはだんだんと見えているのでしょうか?

 そうですね、それで成立するときもあるし。今回は特に、バリエーションを広げたいという思いもありましたから、たまたま事前に多めに作ったけど、後から「この要素が足りないな」と新たに作ることもあります。

――バリエーションを広げるという意味で、制作上で特に大きな壁になったところはありますか? 事前に多めに曲を準備されたということですが、後から加えた要素などもなかったのでしょうか?

 いや、それは特にはないですね。特に追加しようというものも、なかったです。

――それはこのメンバーの中である程度、信頼関係が出来ているから、というところが大きいのでしょうか?

 まあそれもあるけど、常に満点のアルバムは出せないと思っているし、「何かが足りない」と思いながら、それはそういうものかなと考えて、例えばライブでやっていくうちに肉付けされたり、激しい表情の曲に変わったりするような方向にしたほうがいいかな、と。そういう意味では僕らはライブバンドだし、ライブで変わっていくのがいいかなと思っています。

 だから今回のアルバムにしても、構成自体については特に問題なくても、正直言えば「何かもうちょっと付け足せば」と改善点はいろいろあるような気もします。でもそれはまた次のアルバムでやっていけばいいという、僕はそういうバランス感覚でやっています。

――今回は「ファンファーレ」というタイトルトラックもあり、この曲は現在のジュンスカのイメージにそのまま大きくつながってくるのかな、という感じもありますが、「ファンファーレ」という曲が一発目の曲になるというのは、最初から考えられていたのでしょうか?

 そういう気持ちはありましたね。「ファンファーレ」に詞が乗った時点で、いろんな部分が自然に決まったんです。アルバムタイトル、ツアータイトル、そして一曲目という感じで。全体的にも8割くらい出来上がってきた後に出来た曲だったんですけど、詞を宮田が書いてきたときに、結構アルバム一本が見えてきたというか、これがあったことで全体的にギュッと締まったものになりました。「じゃあこの曲とこの曲の、この順番で、この一枚にしよう」という、芯が見えてきた感じではありますね。

――なるほど。作詞はメンバーそれぞれで分担されていますが、担当を決める際に意識合わせみたいなものをされたりしているのでしょうか? 例えば曲のアイデアを出されたときに、イメージを決めて「これはお前」「これはだれだれが…」と担当を決めるというか。

 その辺りはなんとなくですね。たまたま「夏の花」は、僕が詞のイメージが出来ていたんで「じゃあこれは俺が書くわ」と、プロデューサーと話し合いながら書いたんです。小林の「出会いとポケット」は、小林が自分で「これを書きたい」と言ってきました。

――それでは特にどういうテーマでという感じではなく、自然に「書きたい」というところでメンバーが手を挙げて、それぞれ思うままに詞を描いていくという感じなのでしょうか?

 そうですね。あとは今回、プロデューサーの意向で「年齢を感じさせるものを入れない」というポリシーをもらい、その上で詞が完成しました。例えば「体の具合が悪い」とか「結婚して子供がどう」とか、具体的ですけど(笑)、そういうものを敢えて書かないで作っていこう、という意識はしました。

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最終更新:10/16(日) 12:30

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