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ロボットアーム、慶大が開発 力加減柔軟に新技術

カナロコ by 神奈川新聞 10/16(日) 13:31配信

 慶応大理工学部(横浜市港北区)が、物の柔らかさを感じ取って力加減を制御できる「力触覚(りきしょっかく)」という特許技術を実装した、汎用(はんよう)ロボットアーム「GP-Arm(ジーピーアーム)」の開発に成功した。動作の記録や編集、再現も可能で、産業、医療、福祉など多分野での活躍が期待される。

■物つかむ触覚 人間と同じ
 ロボットアームがロールパンをつかむ。すると遠隔操作する側のアームに柔らかさ、弾力がそのまま伝わる。端的に言えば人間の手と同じように動き、瞬間的に触覚を感じ取って力加減を調整できる装置だ。

 従来の技術でも綿密なプログラミングや多数のセンサーの装備により、ロボットが同様にパンをつかむことはできた。だが対象物のサイズや位置の固定化が必須だったり、センサーの情報解析に長時間を要したりと、実用化は遠かった。

 研究を担った同学部システムデザイン工学科の野崎貴裕助教は、「これまでのロボットは力加減が苦手で、グラスなど繊細なものを握れば割ってしまっていた。その感覚を自由自在に制御し、人間同様の柔軟な動きが可能になる、世界初の装置」と説明する。

 根幹をなすのが、同学部の大西公平教授が世界で初めて鮮明に実現させた「力触覚」という技術だ。これを実装した装置は動作を記録し、保存することも可能で、人間ならではの繊細かつ複雑な動きの再現ができる。またそれを編集、拡大・縮小、高速化することで、人間の能力を超えた作業効率や性能を発揮することもできる。

 応用分野は産業、ロボット、自動車、農業、医療、宇宙航空など多岐に及び、うち3社ではすでに試作段階を終え、製品化が近いという。野崎助教は「この装置の開発成功を機に、力触覚技術を広範な産業分野に普及させていきたい」と展望を語った。

最終更新:10/16(日) 13:31

カナロコ by 神奈川新聞