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M&Aの買収手法について 特徴とポイントは?

ZUU online 10/17(月) 6:10配信

M&Aの買収手法とは、他の企業の買収という手段により、自社の業績の向上を目指す経営手法のことである。自社単独でゼロから競争力の強化、新規分野への参入、新規市場の開拓などを行うよりも、買収によって時間とコストを削減しようとする手法である。

■M&Aのいろいろな手法について

M&Aの手法は「合併」と「買収」に分類される。合併とは2つ以上の会社が1つの会社に統合されることである。一緒になる会社が1つの存続会社に統合される場合を吸収合併、一緒になる会社が別の新しい会社を作ってそこに統合される場合を新設合併という。

買収とは他の会社から事業部門や会社自体を買うことである。事業部門だけを買収する場合が事業譲渡、株式を買収して50%以上の議決権を取得する場合が株式譲渡である。

■M&Aの買収手法のメリット

M&Aの買収手法で事業再編を行う場合のメリットとしては、自社で一から取り組む場合に比べて失敗経験などを含めた運営ノウハウ、生産設備などの生産ノウハウ、資源などを短期間に効率的に取得できることにある。

さらに、これらの新規獲得した能力や資源を、自社の既存の能力や資源とうまく融合することで、より大きな価値、シナジー(相乗)効果を生み出すことができることもメリットといっていいであろう。売上シナジーの点では、販売チャネルの拡大・獲得や、顧客サービスの向上、市場支配力の強化などの効果が期待できる。コスト削減シナジーの点では、規模の拡大による仕入れ・販売コストの削減、製造部門・間接部門の効率化など、多くの効果が見込める。

■M&Aの買収手法の注意すべき点

M&Aの買収を行うにあたっては、何のために行うのか戦略を明確にする必要がある。自社の経営理念、コアコンピタンス(自社の中核的能力)、コンプライアンス(法令遵守)に合致するのか。どういう目的があり、どういうシナジー効果を期待するのかなど、計画の全体像をはっきりさせる必要がある。これを明確にしておかないと、いつの間にか経験のない分野で大きなリスクを抱え込んでしまうことになる。

買収戦略を策定したら、次に戦略に合致する買収案件を探し、妥当性を調査・検証することが大切である。これをデューディリジェンス(Due diligence:注意義務)といい、ビジネス、法務、財務などの多角的な観点から検証する。これを十分に行わないと、将来隠れた不良資産、不良債権やリスクが発生する原因となる。

買収案件の妥当性が検証できたら、相手側と交渉し、買収交渉を行うことになる。株式買収では相手側経営者の理解が得られず、敵対的買収になることもある。その場合、交渉にあたって相手側のメリットをはっきりさせ、ステークホルダー(利害関係者)の立場も十分尊重するとともに、社会全体に対しても必要性、妥当性を示すことが重要である。

■M&Aの買収手法の事例

【日本電産の買収事例】
日本電産では、企業成長の原動力としてM&Aを戦略的に活用している。「回るもの、動くもの」に特化して、技術・販路を育て、「時間を買う」という考え方で行っている。日本電産では買収する事業分野を特化し、赤字の事業を早期に黒字化し、独立採算の子会社として技術力を生かして高シェアを実現している。まさに、M&A買収のモデルケースである。

<日本電産の主な買収の軌跡(日本電産ホームページ参照)>
1998年:コパル買収~日本電産コパル株式会社として子会社化。不安定な経営を立て直し、カメラ用シャッターのシェア世界首位
2003年:三協精機製作所買収~日本電産サンキョーシーエムアイ株式会社として子会社化。
電子部品、システム機器を製造、数々のトップシェア商品を持つ
2011年:三洋精密買収~日本電産セイミツ株式会社として子会社化。携帯電話用振動モーターで世界シェア40%を占めるトップメーカー

【パナソニックの買収事例】
パナソニックは1990年、アメリカの映画会社MCAグループを買収し、一時子会社化した。その後、エンターテインメント事業と電機メーカーの戦略の違いが次第に顕著になり、社長交代に伴い、相手先との意思疎通もうまくいかなくなる。よって1995年に売却した。今のユニバーサルスタジオの成功を考えると、異分野に対する買収戦略の失敗例だと思われる。

【ソニーの買収事例】
ソニーは1989年、アメリカの映画会社コロンビアピクチャーズを買収し、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントとして子会社化した。ゲームなど他のエンターテインメント部門との融合を図り、主要事業として買収をいかしている。

(提供:M&Aアドバイザーズ)

最終更新:10/17(月) 6:10

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