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日本発の不動産テックの潮流とは

ZUU online 10/17(月) 6:10配信

金融(finance)とIT技術(technology)を掛け合わせた「フィンテック」という言葉は、今やすっかり普及した感があります。日本でも100社以上の企業がフィンテックのサービスを展開し、資産運用や決済、口座管理などがスマホから簡単にできるようになっています。

そして、これまで古い慣習が根強く残っていた不動産業界の常識を覆す、「不動産テック」のサービスが次々と登場しています。これもフィンテックと同様、不動産とIT技術を掛け合わせた「RealEstateTech」を意味する造語です。

不動産テックを活用したサービスは、不動産売買や不動産投資、賃貸住宅、リノベーションなど多岐にわたり、高い関心を集めています。それでは、これらのサービスは、今後、どのようになるのでしょうか。

■不動産業界にある消費者と業者の「情報の非対称性」

世界的に見ても、不動産業界のデジタル化は遅れていました。日本はこれまで物件情報などが一般公開されていなかったために、不動産業者だけが詳しい情報を持ち、消費者が弱い立場に置かれているのではないかという指摘がありました。

このような「情報の非対称性」が原因で、消費者は適切な売買を判断する材料、知識が少なく、悪い業者がそれを利用して、自分たちだけが利益を得るようにしていたケースもありました。以前から問題視されていましたが、その商慣習がなかなか改善されない状況が長い間続いてきました。

しかし昨今、あらゆる業界でITテクノロジーの導入が当たり前となり、消費者も賢くなりました。商品やサービスを購入・利用する前に、インターネットを駆使してさまざまな情報収集を効率的に行うようになりました。

さらにスマートフォンが登場し、あらゆる面で効率が重視されるようになってきています。りそな銀行では、3年後をめどに手続きの際の印鑑が不要となる「生体認証システム」に切り替えることが発表されました。

当然の事ですが、不動産業界でも「できるだけ手間をかけずに不動産の売買を行いたい」「ネットで効率良く情報収集をしたい」というユーザーが増えることは避けられず、不動産テックが話題となっているのは、時代の流れからすると必然なのです。

■不動産テックは定着するのか?

ITベンチャーを中心に、さまざまな不動産テックサービスが登場しています。しかし、不動産テックは本当に定着するのでしょうか。これには懸念点もあります。

2015年11月、「おうちダイレクト」というサービスが開始されました。おうちダイレクトは、Yahoo!JAPANとソニー不動産が共同開発した不動産売買プラットフォームです。売主は「システム推定価格」を使って所有物件の推定成約価格を割り出すことができ、売却にかかる仲介手数料が無料となります。買主は従来通り仲介手数料が掛かるものの、売主側にサイト上で直接質問が可能です。

当初、ソニー不動産とYahoo!JAPANの両社は、米国のような「中古物件の流通の活性化」を目的に掲げていました。仲介会社を通さず、売主側が自由に価格を設定できるシステムは画期的である一方で、業界内からは反発の声も聞かれました。現在はサービス開始から半年以上が経ちますが、登録物件は数十件にとどまり、活用されているとは言いがたい状況です。

これまでのところ、おうちダイレクトがあまり活用されていない理由はいくつか考えられます。米国と日本の不動産流通市場の違いもその一つでしょう。米国では中古住宅の流通戸数が全体の約90%であるのに対して、日本は約15%程度です。

また、米国では不動産業者以外に物件の取得・売却などに専任のエージェントがいる形態が一般的ですが、日本では不動産業者がすべてを行っているのが現状です。

さらに、長い間「情報の非対称性」が存在した日本では、一般消費者が不動産取引を行うための知識や経験を十分持ち合わせていません。こうした状況では、彼らが不動産業者を通さず直接売買するというのは、いささかハードルが高すぎたのではないでしょうか。

不動産テックがいかに便利で効率的であっても、業界の商習慣や消費者動向をよく見定めなければ、それらを覆して新しいサービスを定着させるのは難しいということでしょうか。

■まとめ

不動産テックのサービスは、すでに不動産業界内のあらゆるジャンルに登場している状況ですが、中には「おうちダイレクト」のように、ユーザーの支持を受けられず苦戦している事例も見受けられます。しかし、不動産テックの持つ効率性や機能、公平性は、今後ますます求められていくと考えられます。

IT化が遅れていた不動産業界も、ITベンチャーなどと協業しながら、新しいサービスの開発が急務となりそうです。 (提供:TATE-MAGA)

最終更新:10/17(月) 6:10

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TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。