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太陽光パネルの下でレタスを水耕栽培、開放型の植物工場へ

スマートジャパン 10/17(月) 7:25配信

 太陽光発電と水耕栽培を組み合わせた「水耕ソーラーシェアリング」の実証システムが千葉市内の農地の一角にある。千葉工業大学の久保研究室がベンチャー企業2社と共同で取り組むプロジェクトで、9月にドイツの国際学会「Electronics Goes Green 2016+」で発表した内容を10月12日に公開した。

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 水耕ソーラーシェアリングの大きな特徴は2つある。1つは農地の上部に追尾式の太陽光パネルを設置して、太陽の動きに合わせながらパネルが回転して発電量を増やすことができる。もう1つの特徴はパネルの下で栽培する農作物を育てる方法として、土を使わずに地下水を利用した水耕栽培を採用している点だ。

 追尾式の太陽光パネルは1枚の発電量が70W(ワット)で、合計264枚を設置した。全体の発電能力は18.5kW(キロワット)になる。営農型の太陽光発電で認められている農地に支柱を立てて太陽光パネルを設置する方式だ。1列ごとに太陽光パネルをつなぐパイプにモーターを装備して、パネルの傾きを変えることができる。

 朝にはパネルの面が東側に向いていて、太陽の動きに合わせて夕方までに西側に傾いていく。あらかじめ太陽の軌道を予測したプログラムをコントローラに組み込んでおき、コントローラの指令でモーターが動く仕組みだ。実証の結果、通常の太陽光発電(南向き15度に固定)と比べて年間の発電量は11.4%増えた。

レタスを約5週間で収穫できる

 水耕栽培の手法は研究チームのメンバーであるセプトアグリが開発した「EZ水耕」を応用した。セプトアグリは2014年に設立したベンチャー企業で、「21世紀の新しい農業」を目指して環境負荷の低い農業生産と再生可能エネルギーの両立に取り組んでいる。EZ水耕は特殊な施肥方法を使って、地下水や水道水を流すだけで農作物の栽培を可能にした。

 千葉市の実証システムでは温度が安定している地下水をポンプでくみ上げ、太陽光パネルの下に設置した水耕栽培用の溝の中を流す仕組みになっている。ポットに入れた野菜の苗を溝に並べて、水と太陽光だけで栽培する方式だ。一般的な水耕栽培では液肥(液体肥料)を使うために、ビニールハウスを建てて臭い防止と温度維持が必要になる。EZ水耕はビニールハウスが不要で、ソーラーシェアリングも可能になる。

 研究チームは5月と7月に水耕ソーラーシェアリングによる栽培実験に取り組んだ。レタスの種から約3週間かけて苗を育てた後に、約2週間で収穫できる状態まで成長した。この間の気温は26~40℃で、水温は23~32℃の適正範囲に収まった。

 水耕ソーラーシェアリングの次のステップで目指すのは、「開放型ゼロエネルギー植物工場(Open Zero Energy Plant factory、OZEPf)」の実用化だ。農地を利用して太陽光発電の電力だけを使って、高付加価値の野菜を低コストで短期間に生産できるようにする。引き続きOZEPfに必要な技術要素の改良を続けて普及を図る。

最終更新:10/17(月) 7:25

スマートジャパン

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