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チャットボットはなぜ次の技術トレンドなのか?

ZUU online 10/17(月) 9:10配信

SNS大手がチャットボットと呼ばれるアプリの開発に注力している。2016年に入り、Facebook、Google、Microsoft、LINEといった大手が相次いでチャットボットの開発プラットフォームをリリースした。世界的なIT大手企業が次々と取り組みを開始してきているが、その狙いと背景を探っていく。

■「チャットボット」とはそもそも何なのか?

チャットボットとは、英語の「チャット(chat、おしゃべりする)」とロボットの略語である「ボット(Ro”bot”)」を組み合わせた言葉で、ユーザーからのメッセージにロボットが自動的に返信してサービスを提供するアプリケーションである。

例えば、ユーザーがWeb上で「夜景の綺麗なレストランを予約したい」というリクエストをチャットボットに送ったとする。するとチャットボットから返信があり、その会話を通じてユーザーの希望に見合うレストランを特定して候補を提示したり、予約をしたりできるようになるものだ。現時点では、チャットボットはレストラン予約の他にも、航空券やホテルの予約、eコマースでの活用が考えられている。

■チャットボットに注目が浴びる要因は?

では、なぜチャットボットが現在注目を浴びているのだろうか? 主な要因としてはメッセージングアプリ使用者が急速に伸びていることと、チャットボットの会話を実現する人工知能(AI)の急速な進化が挙げられる。

例えば、Facebookのメッセンジャーは2016年7月にアクティブユーザー数が10億人を超えた。2年半前の2014年2月には2億人だったので、約2年半でユーザー数が5倍も増加したのである。メッセージングアプリの利用者の伸びに従い、マネタイズ(収益化)のチャンスも増大しているといえるだろう。

またAIの進化により、高度なサービスが提供可能になったことも大きい。例えばMicrosoftが提供する女子高生を模したAIアカウント「りんな」では、ユーザーが犬の画像を送ると犬の種類を特定して返信する機能をはじめ、「探偵ごっこ」や「恋愛相談」といった、会話の中身を高度に判断したうえで状況に応じた回答を行う機能も備えている。

メッセージングアプリの爆発的な普及によりチャットの活用シーンが拡大したこと、そしてAIの進化でプログラムが「会話」できるようになり、技術的な障壁のクリアが、チャットボットへの関心を高めた要因になったようだ。

■プラットフォームとチャットボットの2種類の関係

ただ、チャットボットであればすべて同じかというと、そうではない。チャットボットによっては開発した企業のプラットフォームで動作するものと、他社で開発されたさまざまなプラットフォームでも動作するものの2種類があるのだ。

具体例を見てみよう。Facebookが発表したチャットボットは、「Facebookメッセンジャー」上でさまざまな機能やツールを提供している。LINEが提供するチャットボットもLINEアプリ上で動くことを前提としている。これらのツールは自社アプリを活用したビジネスモデルを想定しており、自社のプラットフォームで動く仕様である。

一方、Microsoftのチャットボットは自社の通話アプリであるSkypeだけではなく、他社アプリであるLINEやSlackなど他社のプラットフォームでも動く仕様である。Microsoftは、自然言語処理研究を基本的な目標にチャットボットを開発しており、ボット自体の収益化は想定していないという。むしろボットでの研究成果をWindows10から掲載された音声認識ソフト「Cortana」などへ応用することを狙いとしており、Facebookの姿勢と対照的だ。

つまり、開発を推進する企業や、チャットボットの取り込みを図るプラットフォームによって、チャットボットに対するスタンスも違ってきているのだ。

■自社開発のMicrosoftとオープン化のFacebook、LINE

MicrosoftとFacebook、LINEは、ボット関連の成長戦略でも対照的なアプローチを採用している。Microsoftは開発を自社中心で行っているのに対して、FacebookやLINEはオープン化を推進することで、他社のリソースの取り込みを図っているのだ。

Microsoftは6月にチャットボット開発のベンチャー企業Wand Labsの買収を発表し、自社のR&D機能を強化している。

一方、FacebookやLINEはボット開発ツールを無償公開してユーザーによる開発を促進させている。InSyncではネイルサービスの検索アプリである「リンクビューティー」にLINEとFacebookのボット機能を実装。チャットボットがネイルサービスを紹介する機能を提供しており、他社のサービスと連携することで利便性の底上げも図っている格好だ。

チャットボットの開発元では、このように成長戦略でも対照的であり、注目する価値がありそうだ。今後のSNS、大手IT企業のボット開発から、新たなサービスが登場するか期待を持って見守りたい。(提供:Innovation Hub)

最終更新:10/17(月) 9:10

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