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習政権、汚職捜査の手緩めず 地方幹部の「落馬」(失脚)報じられる

ZUU online 10/17(月) 18:20配信

反腐敗闘争は中国・習近平政権の看板である。やりすぎで官僚の士気を削いでいるという見方も出ているが、当面緩めることはなようだ。相変わらず汚職摘発のニュースは後を絶たない。

今週も新聞では、中央規律検査委員会による地方巡視の結果報告や、地方幹部の“落馬(失脚)”が伝えらている。これらの記事から最新の動向を探ってみよう。

■大都市・天津の問題点

中央規律検査委員会観察部は直近に行われた、天津、江西、河南、湖北の4省市の視察状況を発表した。たとえば天津市では3つの問題が指摘されている。

1 党の領導が弱化している。政治”生態”は壊れたコップのようで、原則性が損なわれている。党の路線、方針、政策を貫徹しなければならない。

2 党員意識が薄く、党組織の建設は十分でなく、政治思想建設は薄弱である。

3 党紀違反の人間を平気で任官し、官職の売買が行われるなど人事領域の腐敗が大きく“小官大貪”を誘発している。

天津市は北京の隣に位置し、昨年8月の大爆発事故後、人事や組織などが刷新されたものとばかり思われていたが、強烈な言葉で罵倒された。組織風土までは変わっていなかったようだ。

■江西省など地方の問題点

北京から遠く離れた内陸の江西省は以下のように指摘されている。

1 党の領導が弱化し、中央で決定された政策が貫徹されていない。難題に取組み、創新や改革しようという姿勢を欠いている。

2 党組織の建設は不十分、政治理論の学習は形式化している。

3 一部党員幹部の意識、規律に問題があり、党組織は軟弱にして、党の基層は堅固でない。公的業務の簡略化を求めた“八項規定”精神に反する問題が頻発している。

残る河南省、湖北省も大同小異の表現で厳しく糾弾された。党の規律が揺らいでいることを率直に物語っている。もはや統治不能ではないか、とこちらが心配になってくる。

■落馬した地方財政局長

汚職は緩んだ規律を象徴している。今週紹介された落馬者は、四川省・広安市のレイ水県で財務局長だった張氏である。レイ水県は人口100万を超える大県だ。同県の地税局長の座に、通算8年座っていた張氏は、次に財政局長の座を狙っていた。県の財政大権を一手に握ることができ、民生に投資される財政資金も思うがままだ。その後希望通り財政局長に収まり、2012~14年の間、自由奔放にふるまった。

結局、10年にわたる地税局長、財政局長時代、120人から「わいろ」を受け取っていた。最高額は800万元、これらの資金を元手に高利貸しなどの違法営利活動に手をそめ、6000万元に上る不法利潤を得ていた。これは1日当たり1.5万元稼いでいた計算になる。

2010年、張は組織の異動原則に基付き、一旦レイ水県以外の任地へ赴任した。しかし金をばらまくモーレツな復帰運動を行い、首尾よく短期で復帰した。

築いた金脈は全力で守らねばならない。復帰後、中央の通達や八項規定には忠実で、財政規律もよく守った。職員にはよく気をつかい、組合活動も援助していた。裏も表もこまめであり、あらゆる意味でやり手だったのである。2015年8月市の規律検査委員会より党籍をはく奪され、現在裁判が進行中である。

四川省は、失脚した最大の大物、周永康元政治局常務委員が1999~2002年に書記を務めていた関係から、現政権による徹底した汚職捜査を受けた。摘発されやすかった地区である。四川省の省都・成都市では構造改革も進み景気も上向きという。早めに組織の“整理・整頓”を済ませた影響もあるかもしれない。中国の現状とは、これらを済ませていない地方の集積である。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

最終更新:10/17(月) 18:20

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