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「受刑者の7時間労働が楽過ぎるので8時間へ」報道に驚きの声 「合わせるのが逆」「服役したい」

ねとらぼ 10/17(月) 15:19配信

 16日に西日本新聞が報じた、「一部の刑務所で試験的に受刑者の刑務作業時間を7時間から8時間にした」という記事が話題になっています。作業時間を伸ばした理由は、「出所者を雇う企業から『労働に耐えられる集中力がない』などの意見が寄せられたことを受け」とのこと。

【刑務作業のほうが労働より楽?】

 ネット上では同記事に対して、「なぜより厳しい方に合わせてしまうのか」「刑務所よりつらいシャバってなんだよ」「電通ブラック労働関連の二ユースと同時にこういうニュースが流れてくる国」「いろんなところが狂いすぎていて、何が正常なのか、読んでいるこちらが迷子になる」「受刑者よりつらい労働をしてる社畜は一体どんな罪を犯したの……」「今年度BESTと言ってもいいくらい、凄すぎる記事だ……」といった声があがっています。

 現在は違法な長時間労働の問題が多くの労働者の身に降り掛かっていることもあってか、この制度にはほぼ否定的な意見のみがあがっているという状態に。また、同記事の最後に書かれた「全面導入となれば刑務官の勤務時間が延び、残業代がかさむという課題も」という文章についても、いろいろおかしいという声があがっていました。

●法制局に話を聞いた

 この制度について法務省に問い合わせてみた所、法制局の広報担当者が答えてくれました。

 一部刑務所での8時間作業が開始した時期は26年度から。23~26年度まで実施していた出所者を雇う協力企業との会議で、「出所者が7時間労働に慣れており、8時間労働の集中力が続かない」という意見が多数寄せられたことから開始したそうです。

 また、西日本新聞の記事の「実際の作業は運動時間などを引いた7時間程度とされ、週に2、3回は入浴で1時間以上短縮されることもある」と書かれている部分について、8時間作業を採用している刑務所でも運動・入浴は他の刑務所と同じく実施しており、その分作業の開始を朝1時間早めたり、終了を夜1時間遅めたりして対応してるとのこと。1時間短縮となる日は一般的な刑務所では1日6時間程度の作業、8時間作業を採用している刑務所では1日7時間程度の作業となります。

 そもそも一般企業の労働時間が長すぎるのが問題であり、刑務所内の労働時間を増やすのは労働者に対する長時間労働への圧力になるのではないか聞いてみたところ「協力企業からの意見を取り入れ、受刑者の社会復帰をしやすくするために制度を採用している。ただし、国民から反発の声が多いようであれば廃止の検討もありえる」との回答でした。

 さらに、日弁連が出した「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」について紹介したビジネスジャーナルのコラムに書かれている「受刑者の作業に対する報酬が少な過ぎる」という指摘に対して、8時間作業は逆行しているのではないか聞いてみたところ「刑務作業は社会復帰を目指すためのものであり、一般的な労働とは異なる。8時間作業をしている受刑者には1時間分多く報奨金を出しており問題はないと考えている」とのことです。

 8時間作業が正しいのかどうか、詳しい内情が分からないため判断が難しいところではあります。しかし、これをきっかけに労働者の長時間労働への圧力が高まるようなことがないよう、祈りたいところ。あと、刑務官の残業で制度を成り立たせているという部分については、改善を期待したいところです。

最終更新:10/17(月) 15:19

ねとらぼ