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【レポート】<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>2日目前半「遊び足りねーよ! 遊ばせろ!」

BARKS 10/18(火) 22:48配信

10月14日(金)、15日(土)、16日の3日間にわたって千葉・幕張メッセ9-11ホールにて日本最大のヴィジュアル系音楽フェス<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powered by Rakuten>が開催された。HYDE×YOSHIKIの共演が開催間近になってアナウンスされ、さらに興奮を煽ることになった2日目15日にもさまざまなドラマが生まれることになった。動員数は35,000人。時間が経つにつれて場内は移動するのも困難なほどの状況となった。この日、出演した全アーティストの模様をレポートしよう。

◆<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>Day2(前半) 画像

開演時間が迫ってきた朝の9時前にステージに登場したのは初日に続いてMCを務めるMUCCの逹瑯(Vo)とLADIESROOMのGEORGE(B)だ。Twitterで名コンビと評判になっていたらしい2人のトークは実に軽妙。GEORGEが「中はどんどん暑くなってきますから水分補給はまめに」と呼びかけると達瑯がすかさず「長丁場と言ってもGEORGEさん、お酒はダメですからね」(2015年の<LUNATIC FEST.>で泥酔した事件があったため)とツッコミを入れるといった具合である。

2日目のトップバッターは達瑯に「超若手です!」と紹介されたVALS。マオ(シド)、tatsuo、カリスマカンタローによるプロデュースのもと、ヴィジュアル系バンドとダンサーからなる“V系ダンスバンド”を育成する「イケVプロジェクト」から誕生した5人組の彼らはダンサー2人がアグレッシブにパフォーマンスするステージを披露した。張りのある正統派の声が印象的なRio(Vo)は「この舞台に立たせていただき、ありがとうございます! 長丁場のフェスなので最後まで盛り上がっていきましょう」と挨拶。全員イケメン。初々しくも勢いあふれるアクトで全3曲を演奏した。

熱いロックンロール魂を叩きつけたのはASH DA HEROだ。「WAKE UP ROCK AND ROLL BAND」という楽曲のタイトルにも彼のアティチュードが表れているが、マイクスタンドを操りながらパワフルなヴォーカルでステージを縦横無尽に動きまわり、衝動的にフロアに降りて、ハイタッチしながら「歌ってくれ!」と叫ぶなど、その情熱が暴走するライブにスカッとさせられた。「少しでもいいなと思ったらがっつりファンになって帰ってください! みんな中指は立てられますか!?」と煽り、マイクスタンドに赤いフラッグを付け、「反抗声明」を披露。コール&レスポンスを巻き起こした。

HAL(Vo)がハイトーンで「行くぞ! 幕張!」と叫び、着物風の艶やかな衣装で登場、ハイテンションなパフォーマンスで場内を盛り上げたのは大阪発のFEST VAINQUEURだ。ヘドバン&振りでファンが一体となるライブが彼らの特徴だが、そのみなぎるパワーに人がどんどん集まってくる。「生まれて初めてこの幕張のステージに立ちました。生まれて初めて聞く声を届けてください。V系魂にのっとって全力で行こうと思うので、みなさんついてきてくれますか!?」と呼びかけ、リリース間近の新曲「ヒガンバナ~花魁道中~」では扇子を振り、後半に行くにつれてヘドバンの嵐。大阪のバンドだけあって、グリコのポーズも盛りこまれ、「飴ちゃん、めっちゃ持ってきたから」と袋から飴を投げて、オーディエンスを楽しませた。持ち時間オーバーにつき、幕が強制的に閉ざされるというエンディングにも場内爆笑。

“古き良き時代の継承者”をコンセプトに結成されたグリーヴァは漆黒の衣装に身を包んで登場。オープニングナンバーは「自己精神殺害推進曹」でいきなり物騒な“殺せ”コールが巻き起こるが、新しい自分を生み出すために今の自分を殺せとメッセージする曲。ゴシック、ヘヴィメタル、ハードコアの要素が混ざり合った楽曲が印象的で、狂鬼-kyouki-(Vo)は「どうせだったら悪ノリしようぜ!」と煽り、スクリーム全開。ヴィジュアル系のダークな世界観を引き継ぐバンドらしい存在感のライブだった。

そして本イベント唯一の女子バンドであり、<SUMMER SONIC>や<LOUD PARK>などフェスにひっぱりだこのAldiousは激しいメタルナンバーから攻めるのかと思いきや、バラード「菊花」からスタート。情感のあるRe:NOのヴォーカル、激しさと色気を合わせ持つ演奏とパフォーマンスがオーディエンスの心を捉え、挨拶以外、ほとんどMCははさまず、気負いのない堂々としたステージを展開した。徐々に激しさを増していくセットリストでラストの「Dominator」では激しくヘドバンしながら歌い、演奏する5人の姿が迫力満点。終演後に拍手と熱い歓声が沸き起こった。

壮大でドラマティックなロックサウンドが持ち味の摩天楼オペラのステージには男性ファンも多く集まり、ライヴは彩雨~ayame~がショルダーキーボードをかまえての痛快なナンバー「BURNING SOUL」で幕を開けた。突き抜けるハイトーンヴォーカルを響かせる苑~sono~は「楽しんでるか!? 凄まじいよ。こんなに楽しかったら午前中から頭振るよね」と笑わせ、「今日のためにカバーしたんじゃないかと思う曲です」と以前に音源化したX JAPANの「紅」を披露。テクニカルな演奏と開放感あふれるアクトで摩天楼オペラ初心者も魅了した。

再び達瑯とGEORGEが登場し、「イケメンが見たいか!? 俺たちじゃダメか!?」と笑わせ、メインステージのトップを飾ったのはA9だ。

真っ白な衣装で登場した5人を大歓声が迎え、OVERTURE的なインストを奏でて「閃光」からライヴはスタート。疾走感たっぷりのメロディックなナンバー「SHINING」では場内が光に包まれ、虎(G)とヒロト(G)が両サイドのスロープに散る華やかなステージングだ。将(Vo)がバンドが12周年を迎えたことに触れ、「アリス九號.とかAlice Nineと名乗っていた時期もあったんですが、今はA9というバンドをやっています。昨日は上手ギターのヒロトがX SUGINAMI(X JAPANのコピーバンド)でお世話になりました」と挨拶するとヒロトは感謝の言葉を述べ、「僕たちは先輩たちの背中を見てやってきましたけど、今日はその背中を飛び超えるつもりでやってやります! みなさん、この祭りを最大限に楽しみましょう!」と宣言した。

そして、彼らの代表曲であり4つ打ちのダンスロックチューン「RAINBOWS」では「(X JAPANへの)リスペクト精神が高じて、A9にはAジャンプというものがあります」とレクチャーし、みんなでジャンプ。ラストナンバー「the beautiful name」ではスクリーンに歌詞が映し出され、シンガロングが響き渡った。屋内のライヴに屋外の風を送り込んでくれるような清々しさのあるライヴ。Alice Nine時代の代表曲を今のA9のスキルと表現力で演奏し、メインステージのトップバッターを見事に務め上げた。

前身がTRANSTIC NERVEであり、hideの楽曲で構成されたROCKミュージカル『ピンクスパイダー』やトリビュート盤にも参加するなどhideと繋がりの深いdefspiralのライヴはエキゾティックでアグレッシブなナンバー「VOYAGE」から幕を開けた。TAKA(Vo)が「ハロー! 幕張! 今夜はオマエらが伝説の目撃者だぞ!」と煽るとオーディエンスも歓声で応え、ビートを追求してきたバンドならではの踊れるナンバーも。ラストはTAKAの力強い歌が場内に響き渡った壮大なバラードで締められた。

2015年9月に活動休止したSadieの真緒(Vo)と美月(G)を中心に結成されたばかりのThe THIRTEENは激アツのライヴを繰り広げた。「俺が音楽を始めたキッカケはX、X JAPANです! たくさんの先輩方の血が俺たちの音楽には入っています! ライヴしようぜ!」という真緒の宣言から始まり、オープニング「LIAR LIER」から煽り倒し、メタルコア的アプローチの「CHAINSAW」を叩きつける。ヘヴィな中にメロディックなパートが融合しているのが特徴的で、「俺の願いを叶えてもらえますか?」と“We are X”をもじって“We are THIRTEEN”をコール&レスポンス。敬愛するX JAPANと同じステージに立てることの興奮も含めて、焼けつきそうなライヴで攻めまくり、「また1つ夢が叶いました!」と感謝の言葉で締めた。

メインステージに2番目に登場したのは2017年にデビュー20周年を迎えるPlastic Treeだ。ギターを抱え道化師のようなメイクをした有村竜太朗の「Plastic Tree、始めま~す」という脱力挨拶に始まり、オープニングは長谷川正のベースで始まった「イロゴト」。このバンドは変わらずに止まることなく進化している。4人が出す音が絵筆で情景を描き出すように絡みあい、空間をゆらゆらと漂うような有村のヴォーカルが何とも言えず心地よく、ライヴの定番曲「メランコリック」では研ぎ澄まされたスリリングな演奏で魅了していった。

Plastic Treeのペースにいつのまにか巻きこまれている感のあるオーディエンスは「幕張! 跳べ! 跳べ!」と煽る「マイム」でジャンプ。有村が「楽しかった?」と問いかけると大歓声が起き、「ねー。楽しかったね」と返し、浮遊感とエッジのあるビートが同居する「空中ブランコ」が終わるとスッとステージが真っ暗に。まるで蜃気楼のサーカスを見ているような錯覚に陥った。

2016年、結成10周年を迎えたheidi.のライヴは「泡沫」で幕を開け、爽快でキレのある演奏とメッセージが届いてくるヴォーカルでのっけからオーディエンスを楽しませた。義彦(Vo)は本イベントに出演できた嬉しさに感謝し、「せっかくなので、みなさんで思いきり暴れましょう」と多くの腕が挙がる中、リリースに先駆けてノスタルジックなメロディが光る「サクラアンダーグラウンド」を披露。恒例のナンバー「おまえさん」で盛り上げ、キャリアの中で培ったライヴ力を発揮した。

若手V系ロックシーンの中で異彩を放っているDEZERTは緊迫感と焦燥感のあるライヴを繰り広げた。真っ赤な照明の下、「おはよう」で全身全霊の歌と演奏を叩きつけ、千秋(Vo)はフロアに降りて、「手を挙げろ! 近づいてこい! 詰めろ! 後ろのオッさん、詰めてこい!」と煽り、年季の入ったロックファンをオッさん呼ばわりする怖いもの知らずの姿勢。が、そこには往年のロックが持っていた一触即発の危うさがある。ラストナンバーは“不安定でいい 孤独だっていい”と歌う「ピクトグラムさん」。「いつかなんて来ないぜ。今日、何か意義を残して帰ってください」と言い残してステージを終えた。

ここでインターバル。達瑯とGEORGEの2人に有村竜太朗が加わり、達瑯が有村に「今日をかなり楽しみにしてたっぽいね」と振ると「はい、千葉は地元なので」と笑顔に。次のステージの準備に時間がかかるため、急遽、トークを延ばすというミッションが入る。後ろまでぎっしりの場内の熱気が期待を物語っていた。

味の素スタジアムで2008年に開催された<hide memorial summit>以来、8年ぶりとなるhide with Spread Beaverの出演は本イベントの興奮を加速させた。巨大モニターに当時の映像が流れると大歓声。JOE(Dr)、CHIROLYN(B)、D.I.E.(Key)、I.N.A.(Pro)、KIYOSHI(G)、K.A.Z(G)の伝説のメンバーが定位置につき、hideの生前の映像やヴォーカルと共演する形で演奏された幕開けのナンバーは、あまりに有名な「ROCKET DIVE」。hideを生で見たことがないオーディエンスにとってはミラクルな光景、そして彼を追ってきた人たちも再び、こんな日が訪れることになるとは思っていなかったに違いない。MCもhideの声を使って「東京! 幕張! お客さん! どうだよ!」と煽るという、盛り上がずにはいられない構成だ。

さらに、鋭さと重みを増したhide with Spread Beaverの演奏により、「BEAUTY&STUPID」が鳴らされ、エキサイトする中、スクリーンにクリスタルピアノの前に座るYOSHIKIの姿が映し出されると「マジか?」とばかりの怒涛の大歓声。「GOOD BYE」を奏で、hideの歌とのコラボが実現した。

「本当に長い間、hideのことをずっとずっと応援してくれてどうもありがとう。両親も弟もSpread Beaverのみなさん(各自の名前を呼んで)も、みんなのおかげでhideがまだ生きているような……」とYOSHIKIは涙で声を詰まらせ、「がんばってくれているから、こうやってみんなもhideのことを忘れずにいると思います。心から感謝しています」と語りかけた。

そしてピアノで「ピンクスパイダー」を弾き始めるとメンバーの演奏が加わり、YOSHIKIはhideのトレードマークだったギター“イエローハート”でCHIROLYNやK.A.Zと絡んで楽しそうにプレイ。

YOSHIKIが去った後はモニターが砂嵐になり、パンキッシュなナンバー「DOUBT」を演奏、「遊び足りねーよ! 遊ばせろ!」というhideの煽りでメンバーも走って場内を挑発する「everfree」へ。

そしてCHIROLYNが「幕張! 帰ってきました! 8年ぶりだな。スペシャルなゲストを呼んでます。誰だと思う?」と問いかけ、ステージにPATAが登場。「よっちゃんに呼んでもらえて幸せです! 天にいる人はもっと幸せだと思うんだよ!」と続け、テープが舞う中、PATAを混じえての「TELL ME」で大熱狂の中、再びレジェンドとして語り継がれるであろうライブは幕を閉じた。

取材・文◎山本弘子
写真◎VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powered by Rakuten

■<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powered by Rakuten>
2016年10月14日(金)、15日(土)、16日(日)
会場:幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール
開場8:00AM/開演9:00AM/終演10:00PM(予定)
※10月16日(日)は終演9:00PM(予定)

最終更新:10/18(火) 22:48

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