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栗生楽泉園で学習ツアー 隔離の歴史に迫る

上毛新聞 10/17(月) 6:00配信

◎群馬大が企画 重監房跡など見学

 ハンセン病への理解を深めてもらおうと、群馬大社会情報学部は16日、群馬県草津町の草津温泉や国立ハンセン病療養所「栗生楽泉園」を巡るスタディツアーを行った。県内外から約30人が参加し、共生と隔離政策の歴史を学んだ。

 参加者は初めに、町温泉図書館の司書、中沢孝之さんの案内で温泉街を散策した。日帰り入浴施設「大滝乃湯」に立ち寄った際、中沢さんが「この周辺はかつて湯之沢集落と呼ばれ、ハンセン病患者の自治区があり、湯治なども行っていた」と説明すると、参加者は驚いた様子で聞き入っていた。

 栗生楽泉園では重監房跡地や重監房資料館、納骨堂などを見学した。資料館で差別の悲惨さや権利回復のための運動の歴史などを説明した主任学芸員の北原誠さんは、「今日の経験を生かして、ハンセン病に対する知識を深めてもらえたらいい」と期待を込めた。

 ツアーを企画した同学部の西村淑子教授は「楽泉園内だけでなく、温泉街で共生していた歴史も知ることで、ハンセン病についての理解が深まる。参加者が関心を持って見て回っていたのが印象的だった」と振り返った。

◎差別ない社会 誓う ハンセン病訴訟判決15周年

 国に賠償を命じたハンセン病国家賠償訴訟判決から15周年となったのを記念する「追悼と継承の県民集会」が16日、草津町の国立ハンセン病療養所「栗生楽泉園」の中央会館で開かれた。元患者や家族など約150人が出席し、偏見や差別のない社会実現のために活動した歴史や療養所の今後などについて話し合った。

 同園入所者自治会長の藤田三四郎さんが「皆さんの支援があって今日がある。入所者が高齢になる中、療養所のこれからの姿を共に考えてもらいたい」とあいさつした。

 「ともにたたかった家族、仲間として」と題し、自治会役員の岸従一さんら入所者と元患者家族の代表者4人が講演。権利回復のために運動を進めた経験や、同訴訟の全国原告団長だった、故・谺(こだま)雄二さんとの思い出などを話した。

 同訴訟弁護団の徳田靖之弁護士が記念講演したほか、支援者が元患者の苦難を題材にした歌を披露した。

 勝訴15周年を祝うとともに、亡くなった仲間を追悼しようと、同園入所者自治会や「群馬・ハンセン病訴訟を支援しともに生きる会」などが主催した。

最終更新:10/17(月) 6:00

上毛新聞