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新日鉄住金、割安原料炭の使用拡大。鹿島、和歌山で設備増強

鉄鋼新聞 10/17(月) 6:00配信

 新日鉄住金はコスト削減の一環として高炉吹き込み用炭(PCI炭)の使用を拡大する。高炉への吹き込み設備を鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)、和歌山製鉄所(和歌山市)で増強する。投資額は合計で百数十億円とみられる。中長期のコスト競争力強化が狙いだが、足元では原料炭価格が急騰し、PCI炭を活用するコスト面の優位性が高まっている。原料高の製品価格への転嫁は待ったなしの状況だが、自助努力によるコスト増の吸収も同時に進める。

 鹿島製鉄所では高炉にPCI炭を吹き込むための設備能力増強が9月に完了した。同所は高炉2基体制で、いずれの高炉でもPCI比率(銑鉄1トン生産当たりのPCI炭使用量)を2割程度引き上げることが可能になるようだ。
 これに続き、和歌山製鉄所でも2017年3月の稼働に向けて吹き込み設備の増強を進める。鹿島製鉄所と同様にPCI比率を2割ほど引き上げられるようになる見込みだ。
 原料炭の10~12月積み価格は、コークス主原料の強粘結炭が1トン200ドルと7~9月期の2倍強に跳ね上がった。PCI炭も同1・8倍の133ドルに上昇したが、両原料炭の値差は17・5ドルから67ドルへと3・8倍に広がっており、PCI炭を活用するコスト面のメリットが高まっている。
 高炉操業では一般的に1トンの銑鉄を生産するのに約700キログラムの原料炭が必要。このうちPCI炭の使用割合は通常2割程度だが、強粘結炭に比べて割安なPCI炭の使用割合を高めればコスト削減が可能になる。
 PCI炭は粒度が細かいため、使用割合を高めると高炉の安定操業の条件となる通気性確保が難しくなるなどの課題がある。使用割合を高めるには設備能力の拡大に加えて高い技術力が必要だ。新日鉄住金は高炉内の装入物分布を高度に制御する技術を確立しており、設備能力の拡大と合わせてPCI炭の使用を増やしている。

最終更新:10/17(月) 6:00

鉄鋼新聞