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ホークス工藤監督「僕の力不足」 今季象徴する大逆転負け

西日本スポーツ 10/17(月) 9:53配信

 王者ホークスは挑戦者に立場を変えた。日本シリーズ進出のためには勝つしかない第5戦。日本ハムに最大11・5ゲーム差を逆転され屈辱的なV逸を喫したレギュラーシーズンと同じように、4点リードをひっくり返されて終戦した。工藤監督は「僕の力不足」と現実を直視。あらためて来季の覇権奪回を誓った。

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■2回からの4イニング7失点

 ペナントレースをなぞるかのような大逆転負けで工藤ホークスが終戦した。初回に大量4得点も、2回からの4イニングで7失点。レギュラーシーズンで最大11・5ゲーム差をひっくり返されV逸した今季を象徴するような敗戦で、日本一を目指した戦いは幕を閉じた。

 「選手は死力を尽くして戦ってくれた。すべてを出して結果として負けた。日本ハムさんが強かったということ。僕の力不足だと思います」

 工藤監督は悔しさを押し殺し、日本ハムに対する完敗と自らの責任を認めた。就任1年目の昨季は90勝を挙げる圧勝でリーグVと日本一を達成。一転して思うように白星を重ねられなかった今季は、自身の采配を批判する声も耳に入った。「すべては結果。結果がダメなら(采配が)ダメということ」。人一倍の負けず嫌い。CSでやり返し、3年連続日本一という結果で多少でも悔しさを晴らすつもりだったが、それもかなわなかった。

 失速した夏場以降、時間を見つけては京セラ創業者、稲盛和夫氏の著書を読みあさった。迷いも生じていた中で、それを消してくれた言葉がある。〈小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり〉。一見優しく心地よく見える「小善」が「大悪」になることもある。一方で、厳しく思える「非情」が「大善」をもたらすこともある、との意味だ。

 就任1年目から、選手らの将来のため、特に潜在能力を発揮できていない若手には厳しく接してきた。ただ、結果が伴わなかった今季は起用、采配などの部分で選手らとのボタンの掛け違いが生じたことは否めない。それでも「大善」をもたらすためには、自身が嫌われ者になることはいとわなかった。この日も5年連続開幕投手を務めた摂津を3回で交代させた。チームの勝利のため、と信じたことに「情」は挟まない。

 だからこそ全責任を受け止めて、必ずやり返す覚悟だ。「選手たちは毎日しっかり戦ってくれた。勝てる試合もたくさんあった。そこは僕が反省して生かしたい」。監督2年目を終えたが「一瞬一瞬の判断とか、難しい部分はある」と素直に自身が成長途上であることを認める。「追い掛ける立場になった。みんなで力を合わせて、力を付けて、強いチームをつくる」。力強く見開いた大きな瞳にはV奪回しか映っていない。

=2016/10/17付 西日本スポーツ=

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最終更新:10/17(月) 9:53

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