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生理痛は大切な体のサイン 我慢せず産婦人科受診を

山陽新聞デジタル 10/17(月) 11:40配信

 子宮内膜症について、倉敷成人病センター(岡山県倉敷市)の太田啓明産婦人科主任部長に寄稿してもらった。

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 生理痛は病気の症状ってご存じですか?

 「生理痛は病気ではない」。これは私たち産婦人科医が患者さんに言ってきたことです。けれどもこの10年くらいで、腹腔(ふくくう)鏡手術が進歩し、お腹(なか)の中をカメラで覗(のぞ)けるようになって、今さらですが「生理痛」が大切な病気の症状だということがわかってきました。

 痛みは体のサインです。特に子宮・卵巣はお腹の中にありますので、普段はどうなっているのかわかりません。痛みを出したときは、異変のサインと考えてあげてください。

 生理痛は現在「子宮内膜症」という病気の症状です。子宮内膜症は10人に1人、決して珍しい病気ではありません。そして発症は10代、まだ病院で検査を受けるには早い年から、月経の発来とともに発症・進行していきます。この病気は、卵巣チョコレート嚢(のう)胞(癌=がん=化の恐れも)▽腹膜病変(卵管周囲で癒着が起きれば不妊症の恐れ)▽深部子宮内膜症(重症化すれば排便困難にも)▽子宮腺筋症(重症化すれば子宮摘出の可能性も)に分類されます。特徴は「進行性・慢性疾患」「不妊」「癌化」の3つです。

 まず「進行性・慢性疾患」。生理の度に徐々に悪化していきますが、慢性ですから放っておいても決して治ることがありません。10代からお腹の中にできて、月経の度に痛みを出しながら、ゆっくりと進行していきます。ただ子宮がん検診で見つけることはできません。この病気の本体は、ほくろくらいの大きさで、子宮ではなく、腸や子宮・卵巣の表面の腹膜にあります。腹腔鏡で直接覗かない限り、超音波検査でも見つけることはできません。そして、進行すると腸や卵巣、卵管、尿管といったお腹の中の大切な臓器をくっつけていき、機能障害を起こすのです。

 臓器がくっついてしまう「癒着」はMRI検査でもなかなか見つからないのですが、これは癌と同じように怖いことで、腸を切除したり、腎臓を全くダメにしたり、もう一つの特徴である「不妊」を引き起こしたりします。ひどくなると卵巣が腫れてきたり、子宮が変形、肥大してきてMRI検査でもわかるようになります。子宮内膜症が重症化し、ホルモン療法で痛みが取れない場合や癌化のリスクが考えられる場合には手術療法が必要になります。

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最終更新:10/17(月) 11:40

山陽新聞デジタル