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【パ・リーグCS】日本ハムとソフトBの明暗分けた「信頼関係の差」

東スポWeb 10/18(火) 5:31配信

【伊勢孝夫「新IDアナライザー」】すごいヤツがいるもんだ。まるで大谷翔平投手(22)のためのファイナルステージのようだった。

 16日、札幌ドームでの第5戦。日本ハムの栗山監督は3点リードの9回、抑えのマウンドに大谷を送った。私は第6戦に大谷を先発させると予想していた。第1戦と第6戦の大谷で2勝。あとはアドバンテージの1勝と2戦~5戦で1勝で勝つと計算しているとみていたが、栗山監督はこの試合だけでなく第6戦にもつれこんでも大谷はリリーフで起用するつもりだったと聞く。大谷で始まって大谷で終わらせる。そういう演出が頭の中にあったと思う。

 考えてみれば、大谷の抑え起用はいい策でもある。おそらく日本シリーズの初戦は大谷を想定しているのだろう。仮にファイナルステージ第6戦に先発すると、勝っても中4日での登板となり負担も大きい。しかし、リリーフならば1イニングだけ。しかも1イニング限定ならば全力でいける。これ以上のピッチャーはいないのだから最高の守護神だ。

 短期決戦では1枚すごい投手がいるだけで全然違う。かつて西鉄の稲尾さんが4連投したようにベンチとしては計算がしやすい。日本シリーズでも大谷は大きな存在となる。

 ソフトバンクは、その大谷に最後まで振り回されっ放しだった。打者・大谷は中田に比べて穴が多い。このシリーズを見ても中田のほうが断然、数字が高いことがその証拠でもある。ただ、それでもマークせざるを得ない。必要以上に神経を使わされることでレアードや近藤などにやられるケースもあった。第3戦の千賀で負けたのも誤算。あれで工藤監督の計算が狂ったと思う。投手陣で言えば、あと1枚先発がいれば、状況は全然違った。そういう意味では和田不在が痛かった。第6戦に持ち込めば十分に日本シリーズ進出のチャンスはあっただけに痛い離脱だった。だが、そんな状況の中でここまで戦えたソフトバンクはさすがは王者。大したものだ。

 ただ両チームには勝敗を分けた差もあった。それは監督と選手の信頼関係。工藤監督ももちろん選手を信用していると思う。しかし、栗山監督と選手の信頼関係はものすごい。典型的な例が日本ハムの4回の攻撃だ。代打・岡のセンターフェンス直撃の2点二塁打で同点に追いつき、なお一死二、三塁。ここで栗山監督は中島にスクイズを指示して成功させた。あの場面で小細工の利く中島が打席に立てば相手は当然ながらスクイズを警戒する。そういう場面でスクイズのサインを出すことは、かなり勇気がいることだ。相当な信頼関係がなければできない。これに選手がきっちりと応える。見事だった。

 一方の工藤監督はこの試合で先発の摂津が4点リードから2点を返されると4回に慌てて東浜にスイッチ。これが逆に日本ハムに付け入る隙を与えてしまった。もう少し信用して、我慢をして投げさせてもよかったのではないかと思う。(本紙評論家)

最終更新:10/18(火) 5:46

東スポWeb

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