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【佐藤信人、勝負の明暗】松山英樹、技術・パワー・精神力で他の選手を凌駕

ゴルフ情報ALBA.Net 10/18(火) 12:12配信

●素晴らしいのはタテの距離の精度

 日本オープンを制した松山英樹選手。やはりアイアンショットの精度が素晴らしかった。米PGAツアーでも松山選手のアイアンショットはトップレベルだといわれていますが、そのショット力を存分見せてくれました。

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 本人は荒れているようなことを言っていましたが、最終的にはきっちりと修正してきましたね。打った後に「行け!」とか「GO!」とか言っていましたが、結果は狙ったところから2~3ヤード狂ったぐらい。普通はアイアンでちょっと弱いときにそういう言葉が出ますので、グリーンまで届いていないのかな、などと想像してしまいますが、彼の場合はミスの度合いがすごい小さい。逆にいえば、求めるレベルが高いからこそ、ああいったフレーズが自然に出てくる。タテの距離の精度は、他の選手を凌駕していました。

 グリーンを外しても、落ち着いてパーを拾うショートゲームの技量も素晴らしかった。日本と海外のグリーンでは傾斜が違うんです。日本のグリーンは速いですし、硬く仕上がれば難しい。でも、アメリカではそれがベースにあったうえで、さらにポテトチップスのような形状で傾斜が日本より複雑。アメリカの場合、ピンに寄せるのに全然違う方向に打たなければいけないこともあります。スロープを使って寄せる、など様々なルートがある場合があります。それを経験してきた松山選手は、イメージを固めやすかったでしょうね。アメリカでのプレーが今回活きたと思います。

 開幕前から大きな期待をかけられ、素晴らしいプレーを期待され、ハードルが高い中で勝ったのはすごいの一言です。ボクだったらプレッシャーに押しつぶされていたでしょうね(笑)。ギャラリーの声援や期待を力に変えることができるのも、トッププレーヤーの素質です。

 勝負が完全に決まったのは、松山選手が16番で10メートル近いバーディパットを、ジャストタッチで決めた場面でしょう。しかし、7番でボギーの後、8番では3番アイアンを使い、ウッドで打った池田選手をオーバードライブしてバーディ。9番パー5でも同じクラブで2オンに成功した場面も大事でした。どちらも池田選手は度肝を抜かれたでしょうね。追いかける選手は攻めなくてはなりませんが、今回のセッティングではそれもままならなかった。ちょっとミスすればボギーがきますから。それも要因ですが、やはり技術も精神力もすべての面で少しずつ松山選手が他の選手より勝ってましたね。

●男子ツアーの“可能性”を感じた試合

 日本オープン歴代2位の来場者数。ここ数年、男子ゴルフは元気がないというか、盛り上がりに欠けると言われてきましたが、久しぶりにポジティブな話題です。いい人が出ていいプレーをすれば、こんなに人が来てくれる。最後にギャラリーがスタンディングオベーションをしたのは初めて見ましたし、感動しました。

 日本オープンは眉間にシワを寄せながら耐え抜くような試合。それなのに(池田)勇太や小平(智)、片山(晋呉)といった上位の選手たちからは、すごく集中しながらも楽しそうだなって印象が伝わってきました。あれだけのギャラリーを前にプレーするのは、プロゴルファー冥利につきるでしょうね。

 いいプレーをすれば自然とガッツポーズが出て、そこでギャラリーが沸く。歓声も大きいから、選手もどんどん気持ちよくなって楽しそうでした。今回の日本オープンでは石川選手や松山選手、アダム・スコット選手が来てくれたおかげで、いろんな良い面があったんじゃないか。ギャラリーが入れば大会も盛り上がるし、選手も楽しいんだなと改めて思いました。

 ボクらはジャンボさん全盛時代にプレーし、ゴルフにすごく活気があった時代を知っています。でも、今の若い子達は肌で感じたことがない人も多い。めったに見られない松山選手らと一週間を共にして、プロのみならず観戦に来た子供たちも含めて憧れた人は多いでしょう。ゴルフ界にとってはとても良い一週間だったと思います。良い選手が出れば、まだギャラリーは見にきてくれる。まだまだ男子ツアーに“可能性”があることを感じられた試合でした。

・佐藤信人
1970年3月12日生まれ。千葉県出身。薬園台高校卒業後に渡米、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。1993年に帰国しプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝を挙げた。ツアー通算9勝。現在はゴルフ雑誌やテレビの解説で幅広く活躍している。趣味は旅行と読書。

(撮影:福田文平)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:10/25(火) 11:18

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