ここから本文です

ディープニューラルネットワークで自動運転向け画像認識、デンソーと東芝が共同開発

MONOist 10/18(火) 7:25配信

 デンソーと東芝は2016年10月17日、自動運転や高度運転支援の画像認識システム向けの人工知能(AI)技術を共同開発すると発表した。両社で車載用プロセッサーに実装可能なDNN(Deep Neural Network、ディープニューラルネットワーク)を開発し、GPUを搭載するシステムよりも低消費電力な画像処理を実現する。

【歩行者を識別するアルゴリズムの説明図などその他の画像】

 デンソーは画像認識プロセッサーのハードウェアに強みを持つ東芝と組むことにより、2020年以降にDNNを採用したシステムの実用化を目指す。東芝は、画像認識プロセッサーなどにDNNを実装して2018年ごろからサンプル出荷する。

●DNNとは

 ニューラルネットワークとは人間の脳細胞を構成するニューロンの活動を模したモデルのことで、一定以上の多数の層を持つものがDNNと呼ばれる。DNNを用いた画像認識は、自らで対象物の特徴を抽出して学習することで、さまざまな対象物を認識でき、検知精度の向上が可能になるという。

 自動運転の実現に向けては、さまざまな障害物や標識の検知、障害物がなく車両が走行可能なスペースの識別などが求められる。しかし、従来のパターン認識や機械学習による画像認識では、認識が必要な対象物を人為的に特徴づけてあらかじめ学習する必要がある。

 今回の共同開発では、さまざまなネットワーク構成に柔軟に対応する拡張性を持たせたDNNの開発を行う。また、AI技術を車載用として搭載するには消費電力の多さが課題となっているため、車載用プロセッサーに実装する前提で小型化や省電力化にも取り組む。

●デンソーと東芝、それぞれの取り組み

 デンソーはここ数年、他社とも連携しながら画像認識技術の開発を強化してきた。2015年11月に、スマートフォン内蔵カメラなど向けに画像処理ソフトウェアを提供するベンチャー企業モルフォに12億円を出資した。

 2013年9月にはスペインのサプライヤであるフィコサ・インターナショナルの子会社であるアダセンス・オートモーティブにも出資していた。アダセンス・オートモーティブはカメラを使って自車周辺の障害物を認識する技術の開発を強みとしており、出資比率は50%を超えていたが、2016年4月に先進安全に関わる画像認識技術を開発する新会社、デンソーADASエンジニアリングサービスを設立したのを機に出資を解消した。

 自前では、ロングスカートやカサ、ベビーカー、スーツケースやつえなどでさまざまに見える歩行者の画像処理や、ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)を用いた走行可能なスペースの検出技術などの開発に取り組んでいる。

 一方、東芝は、2016年9月から愛知県内の公道で、量産中の車載用画像認識プロセッサーを用いた自動運転システムの実証実験を行っている。この公道実験とデンソーとの共同開発は独立した取り組みだが、どちらも自動運転での画像認識技術の活用をにらんでいる。

最終更新:10/18(火) 7:25

MONOist