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「波形特徴量抽出エンジン」で予防保全を可能に、アクセンチュアが分析事業に注力

MONOist 10/18(火) 12:10配信

 アクセンチュアは2016年10月14日、東京都内で会見を開き、同社が提供する分析サービスについて説明した。

【「波形特徴量抽出エンジン」の概要や技術詳細などその他の画像】

 同社はITコンサルティングのイメージが強いが、自社開発の技術を基にしたサービスも提供している。会見で説明した分析サービスはその1つになる。アクセンチュアのData Sicience Center of Excellence(CoE) グローバル統括兼アクセンチュア アナリティクス 日本統括 マネジング・ディレクターを勤める工藤卓哉氏は「当社ではCoEを通じて、人工知能領域における先端の分析サービスの開発/展開を支援している。CoEは、日本、米国、英国、スペイン、シンガポール、カナダ、インドの7拠点により世界全域をカバーする」と語る。

 会見では、アクセンチュアが提供する分析サービスとして、「波形特徴量抽出エンジン」、「アクセンチュア インサイト プラットフォーム(AIP)」、「分析BPOサービス」を紹介した。

●人手で数カ月かかる時系列データの特徴量抽出が数時間で完了

 波形特徴量抽出エンジンは、乗用車やトラック、船舶のエンジンの制御信号など、リアルタイムで出力される時系列データについて、その特徴量を自動的にとらえて機器がどのような状態にあるかを把握できる、クラウドベースの分析エンジンだ。工藤氏は「これらの時系列データの特徴量抽出は、従来人手で行っており、数カ月かかることもあった。このエンジンを使えば、大規模データを対象とした特徴量の抽出を自動で行えるため、数時間で作業を完了できる」と説明する。

 エンジンに適用すれば、故障の有無や故障の箇所を素早く把握でき、事前に故障を予測する予防保全も可能になる。アクセンチュアは国内向けに2015年から展開を始めており「既に複数の導入事例がある」(工藤氏)という。

 また単なる分析エンジンの提供にとどまらず、アクセンチュア モビリティやアクセンチュア インタラクティブなどとの連携によって、事故予防や修理のサービス担当者が現場で使う端末の開発なども可能だ。同氏は「大規模システムの導入の決定権限を持つCEOから現場までカバーできる」と強調する。

 AIPは、クラウドベースの分析基盤のマネージドサービスである。分析アプリケーションを構築/管理する「AIP Design Studio」を除いて、可視化の「Qlik」や「tableu」、分析言語の「Microsoft R」や「python」、データ連携基盤の「informatica」、ストレージの「cloudera」、クラウドの「Microsoft Azure」や「AWS」など、他社のオープンソース環境から構成されている。

 最大の特徴は環境構築を短期間で済ませられることだ。オンプレミスの場合、環境の立ち上げだけで数カ月かかるが、AIPであれば数週間で済む。運用/保守の立ち上げについては、オンプレミスが3カ月以上かかるところを、準備期間そのものが不要とする。

 費用についても、最小構成で初期費用が100万円からと安価に済ませられる。月額は50万円からだが、利用したいときに利用を初めて、停止したいときに停止できるので、その利用した期間分だけでしか費用が発生しない。「グローバルでは2015年末から展開を始めており好評だ。その手ごたえを受けて、国内でもこのほど本格展開を始めたところだ」(工藤氏)。

 分析BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスは、サプライチェーンから、財務/会計、人事、マーケティングなど幅広い分野の分析業務をアクセンチュアが一括で請け負うサービスだ。2014年8月から国内でサービスを始め、既に採用実績も積み上がっているという。BPR手法(標準化、集約化、自動化)を適用することで、分析コストを1年目で5%、2年目で15%、3年目以降は20%圧縮できるとしている。

●インテルとの協業をアピール

 会見には、インテルの執行役員 インダストリー事業本部長の張磊氏も登壇した。2014年から、アクセンチュアとインテルはグローバルでの協業を発表している。張氏は「IoT(モノのインターネット)時代は、分析スピードをいかに早くしてリアルタイムに近づけるかが重要だ。当社のエッジコンピューティングやセキュリティ、ソフトウェア技術によってアクセンチュアのIoTソリューションの価値を高めて、課題解決に貢献できる」と述べ、両社の協調体制をアピールした。

最終更新:10/18(火) 12:10

MONOist