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廃校で古里の味 会津、誘客へ再利用広がる

福島民報 10/18(火) 9:54配信

 福島県の会津地方で地元の廃校を誘客施設として再利用し、地域のにぎわいづくりにつなげようとする住民の取り組みが始まった。北塩原村桧原の男性は旧桧原小中の校舎を村から借り受け、11月1日に食堂をオープンさせる。内部を改修し、村内産の食材を使った料理を提供する。会津若松市湊町の有志は旧原小の校舎をカフェレストランなどとして整備し、来年7月の開業を目指す。懐かしの学びやに再び笑顔があふれる。
 北塩原村桧原でワカサギ釣り船業を営む山口英夫さん(54)が食堂「田舎のまんま屋 めだかのがっこ」を開く。

■旧桧原小中、11月1日食堂に 北塩原産食材を活用

 新校舎移転に伴い、昭和52年に使用されなくなった旧桧原小中の木造校舎の1階部分を改修した。約500万円をかけて厨房(ちゅうぼう)やテーブルなどを設けた。校名が記された木製銘板や校歌の額縁、木工彫りなど卒業生らの作品を展示し、学校の雰囲気を再現している。
 食堂の隣には村営の桧原ふれあい温泉「湖望」があり、年間約6500人の利用がある。しかし、地元には飲食できる施設が少なく温泉からそのまま帰宅するケースが多いという。入浴客らを呼び込もうと、地元産の新鮮野菜や山菜を使った料理やそばを提供する。住民数人を従業員として採用し、地域全体の活性化につなげる考えだ。
 平成8年に約160人だった桧原の人口は今年4月には86人に半減した。観光客は東京電力福島第一原発事故前の水準に戻っていないという。山口さんは「自慢の味で人を呼び込み、にぎわい創出の拠点にしたい」と張り切っている。

■18日、住民向け内覧会

 「田舎のまんま屋 めだかのがっこ」の地元住民向け内覧会は18日開かれる。
 住所は北塩原村桧原字道前原1131ノ54。営業時間は午前11時から午後9時まで。当面は不定休。電話番号は0241(23)7166。

■若松の旧原小でカフェ 来年7月開業目指す

 会津若松市湊町の旧原小校舎をカフェレストランなどとして再生させるのは、地元有志約25人でつくる「はら笑楽交プロジェクト」。平成11年3月に閉校した原小の木造平屋校舎を改修する。
 既に建物の半分が解体されており、残りの教室と体育館を利用する予定だ。今後、台所やトイレを整備し、天井の一部を張り替える。
 誘客施設の内容は流動的だが、カフェレストランでは郷土料理の「豆腐もち」やそばの提供を想定している。わら細工を体験し親子が遊べる空間も設ける計画。メンバーは資金集めを進めている。
 15日に住民ら約10人が集まり、本格的な改修作業に着手した。教室の壁には校歌の歌詞が掲げられ、廊下には合言葉「あいさつは心のおまじない」が書かれた看板が残る。メンバーのほとんどが原小の卒業生で「校歌や看板は残したままにしよう」などと話し合いながら片付けをした。
 プロジェクト会長の日下部勝文さん(57)は「開業までの苦労は多いが、住民一丸で乗り切りたい。校舎に再び笑い声を響かせ、地域を元気づける」と校舎を見渡した。

福島民報社

最終更新:10/18(火) 11:47

福島民報