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快進撃「シエンタ」に待ったをかけるか。ホンダ、小型ミニバンの本気度

ニュースイッチ 10/18(火) 8:21配信

新型「フリード」はとにかく真っすぐ走る車

【開発責任者・田辺正氏(四輪R&Dセンター主任研究員)】
 開発責任者になって初めに、とにかく真っすぐ走る車にしてほしいとメンバーに言った。4代目「オデッセイ」の開発に携わった。オデッセイは背が低いミニバンで直進時の安定性があった。フリードのような背の高いミニバンは横風にあおられやすく、真っすぐ走るのが得意ではない。真っすぐ走ることができると運転の疲労感が少なくなる。オデッセイのようなどっしりと安定した直進性を実現できるよう気を配った。

 小型車「フィット」のハイブリッドシステムを改良して搭載した。基幹部品である「インテリジェントパワーユニット(IPU)」は、先代では3列目シート下にあったが、小型軽量化して1列目シート下に移した。3列目下の空間が自由に使えるようになり、小型ミニバンのハイブリッド車としては初めて4WDを設定した。車いす仕様もできた。1列目下に持ってくるとIPUが発する熱が課題になるが、排熱をシート下のすき間から逃がすことで解決した。

 室内のパッケージも工夫した。全長を先代より50ミリメートルの拡大にとどめつつ、1列目から3列目シートのヒップポイントの距離を先代より90ミリメートル伸ばした。2列目のシートスライド量を120ミリメートル拡大して多様なシートアレンジを可能にした。室内の床を平らにして隣の席との間も広げ、室内での移動をしやすくした。

 1人で使う平日から大勢が乗る週末まで、さまざまなライフスタイルを送るすべての消費者にとっての使い易さを追求した。先代が築いた「ちょうどいい」というコンセプトを進化させた。

【記者の目・小型ミニバン市場活性化】
 競合となるトヨタ自動車の「シエンタ」との違いは、デザインが控えめで受け入れられやすいこと、全高が少し高い分室内空間を広くできたこと、力強い走り、だそうだ。シエンタが販売目標を超えるヒットを続けている。フリードの受注は発売1カ月で2万7000台超(月販目標の4倍超)。ほぼ1年前に発売したシエンタの受注は発売1カ月で4万9000台(月販目標の7倍)。市場環境が全く同じではないので単純な比較はできないが、数字だけ見るとスタートダッシュはシエンタに軍配が上がった。ただフリードの全面改良が加わることで、小型ミニバンの市場が活性化しそうだ。
(文=池田勝敏)

最終更新:10/18(火) 8:21

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