ここから本文です

キリンビールが“ホップ”市場攻略へ 主力「イブキ」に続く「MURAKAMI SEVEN」投入

日刊工業新聞電子版 10/18(火) 17:50配信

農家の販路確保に“47都道府県一番搾り”

 キリンビールは自社開発ホップ品種のブランド化と栽培拡大を目指す。小規模に醸造するクラフトビールの人気が高まり、国内外を問わず、ビールの香りや苦みの元になるホップの需要が増えている。これを追い風に、自社開発のホップ「IBUKI(イブキ)」を子会社のクラフトビールや「一番搾り」に使用すると同時に、2017年4月からクラフトビール各社へ提供を本格化する。

 イブキに続く「MURAKAMI SEVEN(ムラカミセブン)」も22年めどに提供を開始し、25年までに3、4品種の育成を目指す。

 キリンビールは岩手、秋田、山形の東北3県に契約農場を持ち、国産ホップの買い付け量では約7割の最大手。岩手県の遠野地域で採れたホップで毎年秋、一番搾りの期間限定商品「とれたてホップ」を発売している。16年はこれに加え、47都道府県別一番搾りの「秋田づくり」「山形づくり」「岩手づくり」で、それぞれ県産ホップを使用。農家の販路確保にもつなげている。

 イブキはかんきつ系の香りが特徴で、15年10月に「キリン2号」から呼称変更した。キリンの社名を外して、ビール他社が使いやすくした。ムラカミセブンは収穫量がイブキの1・5倍と多く、海外産ホップにはないイチジク、マスカットの香りを持つ。樹高が約5メートルと低いため農家が栽培しやすいのも利点。

 ホップが収穫できるようになるには5年程度かかり「22年には本格提供にこぎつけたい」(キリン酒類技術研究所の村上敦司主幹研究員)との考えだ。ホップの国内自給率は1割強。農家の高齢化という悩みがあるが、他国にない香りや苦みがあれば差別化で高値取引が期待できる。

最終更新:10/18(火) 17:50

日刊工業新聞電子版