ここから本文です

初の女性署長、大宮西署長に 子育て経験「女性だから分かる仕事も」

埼玉新聞 10/18(火) 10:30配信

 埼玉県警初の女性警察署長となる杉崎恵子警視(58)が17日、大宮西署長に着任した。署幹部らの出迎えを受けた杉崎署長は署員75人の前で、「男性と女性がお互い補いながら協力し合い、前向きで攻めの姿勢の業務を行う警察署になれるよう頑張りたい」と訓示。記者会見では仕事と家庭の両立などについて語り、「警察官には女性だからこそ分かる仕事が多い。結婚、出産後もぜひ続けてほしい」と、後輩の女性警察官たちにエールを送った。


 杉崎署長はさいたま市出身。もともと教員志望だったが、大学時代の教育実習が転機となった。ちょうど非行や校内暴力が社会問題化していた時期で、訪問先の中学校も荒れていた。「警察官として少年に携わる仕事がしたい」。偶然見つけた“婦人警察官“の募集に飛び込んだ。

 1983年の交番勤務を振り出しに、警察署や県警本部でキャリアを積んだ。00年に警部、09年には警視へ昇任。前任の県警本部少年課長時代は、農業体験を通じた非行少年の立ち直り支援にも取り組んだ。「環境に恵まれなかった子どもたちでも、大人たちが目を向け、手を差し伸べれば前向きになる」ことを実感した。

 管内約13万人の安全確保を担う責任者として、「署員が伸び伸びと業務ができるよう環境を整えるとともに、署の中心となって地域との関係を築きたい。そのための雰囲気づくりを進めていく」と抱負を語る。全国でも12人目と少ない女性署長という立場については「特に意識はしていない」と言い、署員への訓示でも「意識せず普通にやってほしい」と呼び掛けた。

 県警は女性の活躍を推進するため、女性警察官の割合を現在の9・2%から、18年度までに10%へと引き上げる目標を掲げている。女性警察官の採用や幹部登用も積極的に進めているが、ネックとなるのが仕事と家庭の両立だ。

 杉崎署長は警察官になって1年後に結婚した。2人の息子を育て上げ、孫も2人いる。育児が大変な時期は職場の理解や家族のサポートを受け、他県警の女性警察官に相談して力や元気を分けてもらったこともあった。

 苦労の一方で、「昇任試験の際、受験を控えた子どもが、母親も勉強を頑張っている姿を感じてくれた」と働く母親の喜びも知った。署長就任に当たり、家族からは「体に気を付けて頑張ってね」と応援されたという。

 県警本部の犯罪被害者支援室長も歴任している杉崎署長は「DV(ドメスティック・バイオレンス)やストーカー、性犯罪は女性の被害者が多いし、結婚や出産、子育てを経験したからこそ分かる仕事もある」と女性警察官の必要性を強調。「ワークライフバランスや将来を見据えながら、結婚、出産後も警察官を続けてもらいたい」と後輩たちを激励した。

最終更新:10/18(火) 10:30

埼玉新聞