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決して“4年目”が与えられないモウリーニョ 2年目にリーグを制し、3年目には謀反にあう

theWORLD(ザ・ワールド) 10/18(火) 20:00配信

必ず敵を作る?

かつてスペシャルだった男は、今もまだ特別な存在だろうか。

今夏に激動のファン・ハール時代を終えたマンチェスター・ユナイテッドによって、赤い悪魔の舵取りを任されたポルトガル人指揮官ジョゼ・モウリーニョ。2004年にお世辞にも優勝候補とは言えなかったポルトをチャンピオンズリーグの頂点に導くと、続く2004-05シーズンにはチェルシーの指揮官として就任1年目からハードなプレミアリーグを制してみせた。彼は公然と自らを“スペシャル・ワン”と称し、誰もその高飛車な自称に異議を唱えようとはしない。その後もインテルでトレブルを達成するなど、モウリーニョ株は決して上昇することを止めなかった。そんな時代の寵児にわずかな隙が生じ始めたのが、スペインの名門レアル・マドリードを指揮した3年目(2012-13シーズン)のことだ。2011-12シーズンを記録的な勢いで“勝ちまくった”レアルは、その背景に多くのスタープレイヤーとカリスマ指揮官の絶妙な調和が存在した。クリスティアーノ・ロナウドとぺぺは同胞の指揮官に忠誠を尽くし、カリム・ベンゼマは“飴と鞭”を巧みに使い分けるモウリーニョの手のひらで見事に躍動。だが、世界屈指の名門で華やかな2年目を楽しんだこの名将は、3年目に失態を犯した。それはレアルのシンボルとも言うべきGKイケル・カシージャスに失格の烙印を押し、ベンチ要員としたことだ。この決断は多くの方面に波紋をもたらし、レアルの選手やサポーターもスペシャル・ワンに懐疑の目を向け始めた。思えば、モウリーニョという男はこれまでに指揮したクラブにおいて就任2年目にリーグタイトルをもたらし、3年目には“なんらかの軋轢”を生み出している。チェルシーの第1次政権では3年目にアンドリー・シェフチェンコと仲違いを起こした。もちろんこのウクライナ人がロマン・アブラモビッチ会長の大のお気に入り選手であったことは、モウリーニョにとって痛恨の極みだ。2013年に彼は再びチェルシーの指揮官となったが、ここでも最高の2年目を過ごした後に最悪の3年目を過ごすと、やはり4年目は幻となった。しかも今回は“複数の謀反”に苦しめられた。多くの憶測が飛び交ったものの、ビブスを投げつけたジエゴ・コスタや本来の輝きを失っていたエデン・アザールらはその中心にいたとされている。

モウリーニョのように戦術家としてもモチベーターとしても機能する指揮官は、そのハイレベルな要求ゆえに、長期政権を執るのが困難になりがちだ。加えて彼にはメディアが食いつくほどの強烈過ぎる個性があり、そのことが彼の一クラブにおける寿命を“3年以下”に縮めてしまっている。

現在はユナイテッドの新指揮官としてまずまずのスタートを切ったモウリーニョだが、サポーターは100%の安らぎを感じてはいないだろう。なぜならチームにはウェイン・ルーニーやメンフィス・デパイ、バスティアン・シュバインシュタイガー、そしてズラタン・イブラヒモビッチなど、“次のカシージャス”になり得る怪しい候補者がズラリと顔を揃えているからだ。多くの栄光と挫折を味わったかつてのカリスマはオールド・トラッフォードにおいて、監督キャリア初となる4年目を堪能することはできるだろうか。

http://www.theworldmagazine.jp

最終更新:10/18(火) 20:00

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