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【ブラジル】スマホよりケータイ ネット接続なしの従来型伸びる

サンパウロ新聞 10/18(火) 2:25配信

 長引く不景気で消費者らの懐具合が非常に寂しくなったことなどを背景に、ブラジル国内ではインターネットに接続できない携帯電話が再び注目されるようになり、その販売が伸びているようだ。IT(情報技術)専門調査会社のIDCブラジル(IDC Brasil)によると、今年第2四半期の販売台数の伸びは、スマートフォン(スマホ)よりもフィーチャーフォンと呼ばれる従来型の携帯電話の方が大きかった。

 IDCブラジルが6日公表したデータによると、2016年第2四半期(4~6月)のブラジル国内の携帯電話販売数は同年第1四半期(1~3月)に対して23.1%増の1204万4000台に上った。内訳は、スマホが1077万9000台、そしてフィーチャーフォンと呼ばれるある程度高機能な従来型の端末が126万5000台。台数はスマホが圧倒的に多いが、前の期に対する伸びはスマホが16.6%増だったのに対し、各種アプリケーションソフトが無くインターネット接続に制限のあるフィーチャーフォンは38.4%増と、スマホの2倍を上回る伸びを見せた。

 15年第2四半期に対しては、全体の販売数は1.7%のマイナスだった。ただし、スマホが4.8%減と縮んだのに対し、フィーチャーフォンは35.1%増と大幅に膨らんだ。

 IDCブラジルの調査アナリスト、ヂエゴ・シルバ氏は「フィーチャーフォンはその市場を再び熱くしている。15年にはこのタイプの端末の選択肢不足があったが、今日、その供給は非常に大きい。また、従来型の携帯電話は3G(第3世代移動通信システム)の接続が悪くまだ4Gが到達していない農村部での需要が非常に大きい」と説明する。

 7日付伯メディアによれば、大手小売業者らは15年末によりシンプルな機能の携帯電話が店頭から姿を消した後、それらを供給するようメーカー各社に要望した。それによってポジチーボ(Positivo)やアルカテル(Alcatel)、ブル(Blu)、ムルチラゼル(Multilaser)、そして韓国のLGまでが今年4月から、従来型携帯電話を大量に供給するようになった。

 「我々は今年3月から、高齢者向けにベーシックな携帯電話2機種の販売を始めた。販売は7月まで爆発した」と話すブラジルのメーカー、DL社の営業部長によると、不景気がブラジルの消費者らの購買力を減退させ、それと同時期にドル高がスマホの価格を押し上げ、その結果、ベーシックな機種が好まれるようになった。

 スマホに力を入れているポジチーボもこの機を逃さず、シンプルではあるが3G対応の携帯電話の新機種を発売した。同社のモバイル担当副社長は、古い世代の通信システムである2Gがすべての街で利用可能でないことから、通信事業者らは3G対応機種を要求していると話す。

 各社がこぞって供給量を増やした従来型の携帯電話は、IDCによると、今年下期には小売りの現場で「価格戦争」に突入する。小売業者各社が多くの在庫を抱えているためだ。シルバ氏は「これらの機種の平均価格は134レアルだが、この先数カ月で下落傾向に向かう」としている。

 IDCブラジルの調査によれば、スマホの平均単価は今年第1四半期に1152レアル(約3万4500円)だったが、第2四半期には1045レアルに下がった。今日、国内市場で販売されているスマホの64.2%は販売価格が499~999レアルの製品だ。シルバ氏はこれについて「15年までブラジルの市場においてあまり知られていなかったメーカー各社がより高度な製品に投資を開始し、徐々にシェアを獲得している」と説明する。

 今年第2四半期の国内スマホ市場の売り上げは114億レアルだった。シルバ氏は「平均単価が下がったにもかかわらず、(スマホの)第2四半期の売り上げは第1四半期を10%上回った。15年同時期に対しては15.7%増だ」としている。

 IDCブラジルは、携帯電話市場はこの先数カ月の間さらに熱を帯びると予想する。シルバ氏は「下期(7~12月)、特にブラックフライデーとクリスマスの期間中には、販売ボリュームは素晴らしいものになるはず。メーカー各社はこれらの商機に賭け、そして新製品の発売を準備している。ドルの安定によって、価格はより魅力的なものになるはずだ」と話す。

 同社は携帯電話の16年の年間販売数は4030万台に達するとみている。

サンパウロ新聞

最終更新:10/18(火) 2:25

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