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地銀が連携してバックアップする「せとうちDMO」が前進

ZUU online 10/19(水) 6:10配信

いま、多くの県や市、町で、さまざまな観光を基盤とした街づくりが進められている。しかしその試みの多くは行政区域単位であり、限界も指摘されている。

一方で、瀬戸内海に面する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)は、地元の関連事業体や地方銀行が集い、連携して瀬戸内の魅力を発掘・発信する活動を展開している。その中心的な役割を担っているのが、「せとうち観光推進機構」だ。

■「瀬戸内ブランド推進連合」発足

DMOとは「Destination Marketing / Management Organization」の頭文字をとった略語で、「地域の観光のマネジメントとマーケティングを一体的に担う組織のこと」を意味している。

大小さまざまな島々からなる瀬戸内海とその内海を囲む瀬戸内の県は、豊かな自然、多くの産品、特色ある伝統工芸品などの魅力にあふれた地域だ。しかしそうした観光資源に恵まれているにも関わらず、他の北海道や沖縄などの観光都市と比べて、観光客が少ないという悩みを抱えていた。

そこで立ち上がったのが、2013年に設立された任意団体「瀬戸内ブランド推進連合」だ。同連合の大きな特色は、それが県や町といった行政区域単位ではなく、瀬戸内7県という異なる地域の連携で生まれた日本版DMOであるということである。同連合は、DMOの理念を推し進めることで、独自のマーケティングやプロモーションを展開してきた。

2016年3月、「瀬戸内ブランド推進連合」は、従来の任意団体から「一般社団法人 せとうち観光推進機構」へ改組された。これにより、地域内の官民協働や広域的な地域連携がさらに強化され、魅力ある観光地域づくりの活動は、より多角的に多方面に広がることが期待されているのだ。

■行政、事業会社、金融機関が参加

発足のきっかけは政府が推奨する日本版DMOである。瀬戸内各県はその具体化にいち早く取り組み、官民連携組織により瀬戸内ブランド向上のための活動を始めた。

たとえば、瀬戸内在住の人々が発信する瀬戸内地域の観光情報サイト「瀬戸内ファインダー」、瀬戸内の観光振興を応援する企業・ 団体等を登録する「瀬戸内ブランドサポーター」(約300社)、瀬戸内のブランドアイデンティティを訴求する商品やサービスなどを紹介する「瀬戸内ブランド商品」(約400品目)などがある。

「瀬戸内ブランド」は日本全国に販売され、店頭やテレビCMで「瀬戸内」を目にする機会が増加した。また海外発信を目的としたプロモーション動画も作成し、国内外で「瀬戸内」への関心が高まっている。その結果、「瀬戸内」への来訪意向も23.9%(2012年)から29.5%(2014年)と一気に上昇し、今後もさらなる飛躍が期待されている。

■瀬戸内ブランドを支える推進体制、地方銀行の連合

瀬戸内のブランド推進は、関係各県を理事とする「せとうち観光推進機構」、金融機関・事業会社が参画する瀬戸内ブランドコーポレーション、広域周遊ルート形成を行う観光関連企業などにより構成されている。

瀬戸内ブランドの確立と拡大のため、地元の銀行も全面的な支援を提供している。参画金融機関は中国銀行、広島銀行、山口銀行、阿波銀行、百十四銀行、伊予銀行、みなと銀行、日本政策投資銀行の8行だ。日本政策投資銀行を除く7行はいずれも地元に根付き、地元に貢献することを理念に掲げる地方銀行である。

民間企業による新規事業への参画や事業規模拡大には、金融機関による効果的な投融資が不可欠となっている。各行はこれまで、瀬戸内海クルージングや風光明媚な宿、特産品などのキラーコンテンツ開発など、地方銀行ならではのネットワークや知見を活かして資金と経営面で強力な支援を提供してきた。そして2016年4月、日本政策投資銀行と地元7銀行が共同して、新たに「せとうち観光活性化ファンド」が組成された。ファンド総額は、組成日(2016年4月1日)時点で90億円となっている。今後の増額も予定されており、瀬戸内7県における観光関連事業はさらに加速すると期待されているのだ。

■日本最大のDMOへ

「せとうち観光推進機構」が目指すのは、瀬戸内の魅力を高め、発信していくためのより精度の高いマーケティング戦略の実施だ。そして2020年までには瀬戸内への来訪意向を北海道・沖縄と同程度の50%まで高め、外国人延宿泊者数は360万人(2013年実績は120万人)まで伸ばすことを目的にしている。

そのためにも、「せとうち観光推進機構」は組織の整備を進め、個々の事業をより活発化し、最終的には旅行代理店を通じた観光・観光商品の販売も視野に入れている。日本最大のDMOへと成長を続ける「せとうち観光推進機構」。今後の活動とその成果に大きな注目が集まっている。(提供:nezas)

最終更新:10/19(水) 6:10

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