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M&Aにおける「企業買収の仕組み」と「売却メリット」とは?

ZUU online 10/19(水) 6:10配信

M&Aは、Mergers(合併) and Acquisition(買収)の頭文字を取ったものであり、端的には「対象企業あるいは事業に関する支配権の引き渡し/獲得、その対価の受領/支払い」となる。ただ、その形態や動機、目的はさまざまである。全てを網羅し解説することは不可能であるため、「買収」に限定して説明していこう。

■会社の売買とは?

会社の売買であるが、会社の所有権(株式会社の場合は株式)が売り手Aから買い手Bに移り、買い手Bから売り手Aに対価が支払われる取引と理解できる。2016年初頭より「鴻海によるシャープ買収劇」が紙上を賑わした。鴻海からシャープに対し66%の出資が行われ、鴻海はシャープの株式の66%を取得し、実質的支配権を獲得したと言われている。では、なぜ66%で実質的支配権を獲得したと断言できるのであろうか。

会社法の規定上、定款の変更には株主の3分の2(約67%)の同意による特別決議が必要となっている。66%との差は、わずか1%弱である。鴻海にとって敵対する者はシャープ内に存在するとは考えられず、今後、経営陣の刷新に止まらず、定款の変更を随時行える権利を7掛け弱の対価で確保したと言えるからである。

■会社を買収する目的とは?

2016年、米KPMGは米国企業家を対象にM&Aに関する調査を実施した。同調査によれば、2015年に引き続き、2016年も、IT、製薬/バイオテクノロジー、ヘルスケア、通信を中心にM&Aは活況を続けると予想している。また、会社買収の動機・目的について、2015年は「市場における競争的優位性の強化」が大多数であったが、2016年は「新ビジネスへの展開」「顧客層の拡大」及び「市場の地理的拡大」(36~37%)が主流になったとレポートしている。

日本においてもM&Aは重要な経営戦略の一つとなっている。その動機・目的であるが、2013年のデロイトの調査資料によれば「業界内でのシェア拡大」「事業展開地域の拡大」「ノウハウ・技術・無形資産等の獲得」「バリューチェーンの補完・強化」「スケールメリットの追求」となっている。

また、中小企業庁「事業引継ぎハンドブック」によれば、「後継者問題」が挙げられている。あるいは、ROI(投資対効果)の観点から、事業の引き継ぎではなく「出資金額以上に買収した企業の株価が上がる」か「買収企業を活用し、本体で投資以上の収益を確保できる」かどうかが、買収の目的となろう。海外から日本企業へのM&A(Out-In)の場合、資金援助を引き出すこと、買収企業から国際通貨の一つである「円資金ファイナンス」を低利で獲得することが、目的となるケースもあろう。

■会社買収の仕組み(流れ)について

M&Aの前提として、不採算事業を理由として売却を検討するような売り手Aと、ビジネスの拡大を目指しているような買い手Bの存在が必要となる。アドバイザーないしは会計事務所が仲介することが多いが、売却の対象となる会社または事業の範囲と価格について種々の検討を経た後、基本的合意がなされる。合意後、法的および財務的観点からデューデリジェンスが買い手側から売り手側に対して行われ、重大な瑕疵が発見されなければ、最終合意書の締結と対価の支払いが行われ、M&Aが完了することとなる。

簡単に言えば、ネットで極めて高価な商品を見つけたが、対価を払う前に売り手・買い手に関する本人確認、商品の真偽、価値の妥当性について専門家に鑑定させ、中立な第三者を通じて商品と対価の交換を行い、詐欺被害に会わないようにすることである。

■会社を売却するメリットとは?

多角経営を行う企業はコアビジネス、将来性の見込めるビジネス以外に不採算事業を抱えた結果、経営不振となるケースがある。その対策として「選択と集中」を基本概念に、M&Aを通じた不採算事業の処理が提唱されている。売り手側にとっては不採算事業であっても、買い手側にとってはビジネス拡大のチャンスにつながることもあり得るわけで、両社にとってメリットとなる。

また、中小企業庁は「事業引継ぎハンドブック」の中で、後継者不足に悩む中小企業経営者に対し、M&Aを活用した事業承継の検討を提案している。M&Aを通じ事業の引き継ぎが実現できれば、廃業やそれに伴う雇用の喪失を防ぐことが可能であり、ステークホルダーを重視する日本において極めて意味・メリットのあるものとなっている。(提供:M&Aアドバイザーズ)

最終更新:10/19(水) 6:10

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