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バイオマス発電から海洋ドローンまで、福島で進む実用化プロジェクト

スマートジャパン 10/19(水) 7:25配信

 「福島イノベーション・コースト構想」は原子力発電所の事故の被害を受けた太平洋沿岸地域(通称:浜通り)の復興を目指して2014年1月に始まった。原子力発電所の廃炉の研究開発をはじめ、新しい産業を生み出すロボットやエネルギー、農林水産業や医療機器の分野で実用的な技術を開発する狙いだ。

 2016年度には総額69億7000万円の国家予算を投じて、地元の企業を中心に補助金を交付して技術開発を支援していく。そのうち1次公募で選ばれた34件のプロジェクトの概要が明らかになった。ロボットが12件、エネルギーが2件、環境・リサイクルが7件、農林水産業と医療機器が6件ずつ、環境回復・放射能が1件だ。実施する場所は南相馬市といわき市に多く集まっている。

 エネルギー分野の1つ目は小型バイオマス発電システムの実用化である。いわき市に本社がある建築資材卸売会社の共栄が新規事業として取り組む。地域で発生する食品廃棄物を利用できる小型のバイオマス発電システムを開発する。いわき市内で2017年2月から実証プラントを使って実験を進める予定だ。

 1日あたり3トン程度の食品廃棄物を発酵させて、バイオガスを生成して発電するシステムである。発酵のための撹拌システムを改良することによって、低コストで発酵状態を作り出せる点が特徴だ。発酵後の廃液から肥料も製造する。2020年度までに商用プラント5基を浜通り地域に建設することが目標になっている。

海洋調査用のドローンも開発

 2つ目のエネルギー分野のプロジェクトは、太陽光発電などの再生可能エネルギーを含めて地域内のエネルギーを最適に制御できるシステムの実用化である。デジタルグリッドルーター(DGR)と呼ぶ装置を利用する点が特徴で、複数の電源を選択しながら工場に電力を供給する。停電が発生した場合でも自家発電機から電力を供給できる自律分散型のシステムになる。

 いわき市内でガソリンスタンドを運営する佐藤燃料が開発を担う。2018年度までにDGRの標準機を開発して、2020年度以降に浜通り地域の製造業に展開していく計画だ。関連事業を含めて70人の雇用創出を目指す。

 エネルギー以外ではロボットの分野でドローンを利用・開発するプロジェクトが多い。南相馬市に研究拠点がある日本原子力研究開発機構(JAEA)が楢葉町の千代田テクノルと共同で、ドローンを使って無人で放射線の分布状態を測定する技術を開発する。放射線を見える化できる小型・軽量のコンプトンカメラをドローンに搭載して、分布状況を3次元で可視化する試みだ。

 海洋調査用のドローンを開発するプロジェクトもある。JAEAが海洋調査のウィンディーネットワークと共同で無人観測船を開発する計画だ。レーダーや光ファイバーを使った測定システムを無人観測船に搭載して、海中の放射線分布の測定や海底の地形の測量に利用する。海に囲まれた日本で無人観測船の市場を開拓していく。

 福島イノベーション・コースト構想の実用化プロジェクトに対しては、国から福島県などを通じて費用の3分の2あるいは2分の1を補助する。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを当面の目標に、浜通り地域に先端的な産業を創出して復興を促進していく。

最終更新:10/19(水) 7:25

スマートジャパン

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