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ビル管理を機械学習とIoTで効率化、川崎市で実証開始

スマートジャパン 10/19(水) 6:10配信

 東芝はデルテクノロジーズと共同で、Industrial Internet Consortium(IIC)に対し、ディープラーニングを活用したIoTのテストベッド(実証用の場)として「Deep Learning Facility」を提案し、このほど承認された。システムがデータの特徴を学習して事象の認識や分類を行う「機械学習」の手法である「ディープラーニング(深層学習)」を活用したテストベッドを、IICが承認したのは今回が初めてという。

 IICは産業分野におけるIoT活用のデファクトスタンダードを推進する国際的な団体で、現時点で、参加企業は240社を越えている。同団体が重視しているのがテストベッドである。IoTは利用範囲が幅広く、まだ成功例が生まれていない領域も多い。そのため、まずは複数の企業が協業しながら実証実験を重ねることが重要になってくる。両社は今回、同団体のテストベッド承認を受け、東芝のスマートコミュニティセンター(ラゾーナ川崎東芝ビル)で、ビル施設内にある各種センサーから取得したデータを活用し、設備・機器やオフィス管理を対象としたディープラーニングプラットフォームの検証を2017年9月まで実施する。

 近年、IoT技術が急速に普及する中、東芝によるとエッジデバイス(通信機能を持ち、機器の状態などを取得する装置)の効率的な管理、信頼性の確保、および関連リスクの最小化が課題となっている。また、生成される膨大なデータの効率的な管理・制御のため、ディープラーニングの活用が求められているという。

 今回のテストベッドでは、IoTプラットフォームにおけるディープラーニングの有用性の検証とベストプラクティス(最適手法)の構築を目指す方針だ。ディープラーニングを活用することにより、各種センサーを含む監視機器のメンテナンスを最適化し、メンテナンスコストの削減、機器の稼働率向上を実現する狙い。東芝の大規模データ向けディープラーニング技術とDell EMC(デルテクノロジーズの1ブランド)の高速ストレージ技術により、大規模データに対応した高速ディープラーニングテストベッドを提供する(図1)。

 東芝は、ビルや工場などの施設における効率的な設備・機器の管理や制御を実現するため、長年、画像・音声などの分野で培ってきたディープラーニング技術・ノウハウを今回のテストベッドに適用する。東芝のスマートコミュニティセンターで蓄積した、ビル管理システム、空調機器、セキュリティゲートなどから得られる多様な情報をビッグデータとして活用していく。

 従来のディープラーニング技術では、大規模なデータを扱う場合、学習時間やデータサイズの問題から並列分散処理を行うのが主流だが、十分な学習効果が得られないという課題があった。そこで、今回、東芝が開発した学習モデルとパラメータ最適化技術による大規模データ向け並列分散処理技術をテストベッドに用いる。

 デルテクノロジーズのDell EMCは、長年培ってきたストレージ機器開発の技術・ノウハウがあり、今回、高速処理が可能なラックスケールのオールフラッシュストレージ「Dell EMC DSSD」を同テストベッドに提供する。Dell EMC DSSDはNAND型フラッシュメモリを超高密度に搭載することにより大容量化を実現、複数のサーバとPCIeにより接続し、超高速、低遅延を実現する共有型フラッシュストレージだ。

 東芝は、この検証結果を通じて、ビル・ファシリティ分野でのディープラーニングで、効率的な管理や制御を可能にする新たなソリューションの確立を図る。また、さまざまなパートナーと共創し、病院、ホテル、ショッピングモール、工場、空港などの大規模設備のニーズに対応していく方針である。

最終更新:10/19(水) 6:10

スマートジャパン