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低金利、住宅ローン減税……住宅は購入するべき?

ZUU online 10/19(水) 19:40配信

マイナス金利が導入され、住宅ローンの借入れ金利は低金利で推移している。不動産は人生において最も高い買い物になることが多く、タイミングを迷っている人は少なくないだろう。ここでは、税金の控除制度である住宅ローン減税の制度概要を解説し、住宅の購入タイミングについて考えてみよう。

■住宅ローン減税の仕組みを理解する

まず、住宅ローン減税の仕組みについてだが、住宅ローン減税は一定の条件を満たしている場合、年末の住宅ローン残高の1%が、10年間、所得税から直接控除される制度である。初年度は確定申告の必要があるが、給与所得者であれば2年目以降は会社で年末調整の適用が可能である。

年末ローン残高の上限については、入居した年の税制による。例えば、平成26年4月1日から平成31年6月30日に一般住宅(消費税率が8%または10%の場合)に入居した場合の減税の対象となる年末ローン残高の対象額は最大で4000万円となる。仮に年末ローン残高が4000万円あれば、1%である40万円を毎年取り戻すことができる。控除期間は10年間なので、年末ローン残高が4000万円の場合、合計400万円取り戻すことができる。ただし、年末ローン残高が10年間4000万円以上ある人は実際には少なく、最大限取り戻すことができる人はごく少数となる。

■納めた所得税までしか取り戻せない

仮に3200万円の住宅ローンを借りて、年末のローン残高が3000万円だとする。その場合、減税額は3000万円の1%の30万円となる。もし、その年に納めた所得税が25万円であれば、25万円しか取り戻すことはできない。つまり、戻ってくる所得税の額の上限はその途に納めた所得税の額である。また、所得税から控除しきれなかった額については個人住民税で住宅ローン減税(平成26年4月以降の上限は年額13万6500円。消費税率8%を負担した場合)を受けることができる。

■住宅ローン減税の主な条件

住宅ローン減税の対象となる物件や主な条件は以下の通りである。
・住宅ローンの返済期間が10年以上
・借入れした人の合計所得金額が3000万円以下
・新築または取得日から6ヵ月以内入居
・床面積が50㎡以上
・床面積の1/2以上が居住スペース

また新築の物件だけでなく中古物件や増改築・リフォームも住宅ローン減税の対象となる。

上記条件の他に工事費用が100万円以上で、一定の省エネリフォーム、バリアフリーリフォーム、耐震リフォームや大規模な間取り変更などが条件となる。

■住宅ローン借入れ後に「繰上げ返済」はするべき?

住宅ローン減税をフルに受けるためには、借入れ後10年間については、注意したい点がいくつかある。

1点目は、「繰上げ返済」のタイミングだ。住宅ローンは借入れしてから早いタイミングで繰上げ返済することで元金が減るため、元金に対して支払う予定だった利息も支払う必要がなくなる。総返済額が減るため、余裕資金がある場合には繰上げ返済が有効となる。

しかし、住宅ローンの減税には、「住宅ローンの返済期間が10年以上」の条件がある。つまり、繰上げ返済することで借入れの期間を短縮し、返済期間が10年以内になると住宅ローン減税が受けられなくなるので、借入れの期間を短縮する場合は返済期間を10年以上残すようにする。

また、「繰り上げ返済開始時期」についても注意したい。年末の住宅ローン残高が大きいほど、住宅ローン減税額が大きくなるため、住宅ローン開始から10年以内は、年末に繰上げ返済するのではなく、年始に繰上げ返済すると良い。

2点目は、「金利水準」についてである。住宅ローンを1%以下の低金利で借り入れしている場合は、繰上げ返済をせずに住宅ローン減税の恩恵をフルに受けるべきだ。

繰上げ返済して1%以下の利息の支払いより、年末の住宅ローン残高の1%を取り戻した方が得であるからだ。ただし、変動金利で借り入れしている場合は、金利が変動するため将来、金利が上昇した場合には、繰上げ返済できるよう貯蓄しておきたい。

■住宅ローンの借入れ金利は「融資実行時点」に決まるため注意

住宅ローン減税の制度は平成31年6月30日入居分までについては決まっているが、住宅ローン減税の年末ローン残高上限や控除率も減るなどの税制改正がないともいえない。

また、今後いつ金利が上昇するのか誰もわからない。平成28年10月現在では住宅ローン金利が1%以下で借入れできる金融機関は多くある。住宅ローンの金利が短期間で急激に上昇することは考えづらいが、金利の上昇は変動金利より固定金利の方が先に上昇するので固定金利が低金利のうちに住宅ローンの借入れできると良い。

一般的に住宅ローンの借入れ金利は、申込時点ではなく融資実行のときに適用金利が決まる。特に新築マンションなど契約から引き渡しまで1年後というケースになると住宅ローンが実行されるときには借入れ金利1%以下のつもりが1%を超えている可能性はあり得る。

タイトルの答えとしては、住宅ローン減税があり、金利が低水準である今、気に入った不動産(住宅)があれば、買うタイミングとして悪くはないだろう。

今関 倫子 ファイナンシャル・プランナー (AFP)
外資系保険会社勤務中にファイナンシャル・プランナー(FP)を目指し、AFP(日本FP協会認定)資格取得後、独立系FP事務所に転職。女性を中心に年間のべ200件以上のマネー相談を受け、多くの経験を経て独立。個人マネー相談、執筆、マネーセミナーを中心に活動中。FP Cafe登録FP。

最終更新:10/19(水) 19:40

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