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KDDIがソラコムとIoT向け回線サービスを共同開発、「引き合いは前年比3倍に」

MONOist 10/19(水) 17:10配信

 KDDIは2016年10月19日、IoT(モノのインターネット)向けMVNO(仮想移動体通信事業者)回線サービスを提供するソラコムと、IoT向け回線サービス「KDDI IoTコネクト Air」を共同開発したと発表した。同年12月以降にサービス提供を始める。価格はSIMカードの契約事務手数料が1500円、基本料金が1日当たり10円、データ通信料金が通信速度32kbpsの場合で1Mバイト当たり上り0.2円/下り0.6円から。深夜(午前2~6時)であれば、通信速度や上り下りに関わらず一律で1Mバイト当たり0.2円となる。

【「KDDI IoTコネクト Air」のWebサイトを使った申し込みから管理までのイメージなどその他の画像】

 ソラコムは2015年9月から、NTTドコモのMVNOとしてIoT向け回線サービスを提供している。同社のコア技術は、Amazon Web Service(AWS)のクラウド上に構築した“バーチャルキャリア”とも呼べる携帯通信コアネットワーク「SORACOM vConnec Core」にある。KDDI IoTコネクト Airは、KDDIのネットワーク回線とSORACOM vConnec Coreを組み合わせることで実現された。

 KDDI ビジネスIoT推進本部 ビジネスIoT企画本部長の原田圭悟氏は、東京都内で開いた会見で「当社は2001年からM2M(Machine to Machine)/IoT分野で通信モジュール回線を提供しており、この分野で15年の歴史がある。しかしここ数年で、IoT活用に向けた顧客企業の取り組みが急速に進展してきた。中小規模の事業者からの需要に加えて、大企業もスモールスタートが中心であるため、少数回線から始められる、フレキシブルな料金体系を設定できる回線サービスが早急に必要になっていた。そこで、サービススタートから1年間で既に4000件以上の採用実績を持つソラコムとの協業によって、今回の回線サービスの投入を早められるようにした」と語る。

 KDDI IoTコネクト Airは、KDDIのLTE回線を用いているものの、IoT向けの回線サービスとしてはソラコムが提供している「SORACOM Air」とほぼ同じ特徴を有している。Webサイト経由で簡単に申し込みができ、ユーザーは自身のIoTデバイスに送られてきたSIMカードを装着すればよい。SIMカードの管理は、Webコンソール上で一括して行える。

 料金体系についても、通信料金についてはSORACOM Airに合わせている。事務手数料や基本料金、SMS(ショートメッセージ)関連の料金は異なっているものの「料金で優位性を出すことは考えていないので、それほど大きな差があるわけではない」(原田氏)という。

●KDDIはIoT向け回線サービスだけではもうからない?

 ソラコムが既に提供しているSORACOM Airとサービス内容や価格がほぼ変わらないのであれば、KDDI IoTコネクト Airは、KDDIやそのユーザーにとってどのようなメリットがあるのだろうか。

 原田氏は「2015年までは、当社の営業がお客さまに対してIoTについて説明するというような状況だった。しかし、2016年に入って、それまでとは逆にお客さまからIoTのトライアルをやりたいという問い合わせが一気に増えた。正確な数字ではないが引き合いは3倍くらいになっているという認識だ。そこで、従来の営業による手厚いサポートは継続しつつ、KDDI IoTコネクト Airという簡単に始められて、すぐに止めることもできる回線サービスも加えることとした」と説明する。

 さらにKDDIが重視するのが、IoT回線サービスを起点としたアプリケーションやクラウドサービスの提供だ。「KDDI IoTコネクト Airのサービス開始までに、IoT関連で多数のアプリケーションやクラウドサービスをそろえて行く予定だ。IoTに関わる全てのレイヤーで、ピカピカに磨き上げているところ」(同氏)である。

 KDDI IoTコネクト Airの通信料金は、スマートフォンと比べると5分の1程度となり、極めて安価である。KDDIにとって、KDDI IoTコネクト Airは入口にすぎず、その上層のアプリケーション/サービスこそがIoT分野の事業展開における本命といえるだろう。なお、現時点で公開されているのは、IoTから得られる2000種類以上のセンサー情報を見える化する「M2Mクラウドサービス」などに限られるため、2016年末までの同社の発表に注目する必要がありそうだ。

 ソラコム社長の玉川憲氏は「2015年9月のSORACOM Airのサービス開始から現在までで、顧客数は4000社以上になった。そして、これらの顧客からのフィードバックによって、新サービスや新機能を続々追加できている。1年間で、新サービスを10種、新機能を23種発表できたのは、顧客の皆さまのおかげだ。要望の多いグローバル対応についても進めており、今回のKDDIとの協業によってさらにサービスや機能を充実させていきたい」と述べている。

最終更新:10/19(水) 17:10

MONOist